桜花賞の展望をするときがきました。阪神ジュベナイルフィリーズの1、2着馬が、年が明けて敗戦を喫したことで、今年の桜戦線に暗雲を見る思いでしたが、トライアルのフィリーズレビュー・ラインクラフトの勝ち方を見て、これが主役とはっきりしました。

　やはり、暮れのG1戦を参考にすべきなのでしょう。

　ラインクラフトは、暮れのG1では1番人気でした。それを意識して一歩早く動いたところを競り込まれ3着でしたが、トライアルは仕掛けを遅らせ、その分鋭く伸びて差し切れました。このタイプ、馬群で不利を被る心配があります。ペースが速く、少しバラける展開なら問題ないでしょうが、その点を頭に入れておくべきというところ。福永祐一騎手の命運やいかに、です。

　本番で気になるのは、この他では、有力馬に誰が騎乗するか、があります。

　武豊騎手には、フィリーズレビュー3着のエアメサイアとクイーンCを勝ったライラプスがおり、どちらも圏内にいる有力馬ですから、直前にどうなるか注目です。エアメサイアはトライアルで3着とはいえ、1400mの適性の差だったともいえ、本番の戦い方次第では栄冠も見えてくる馬。一方のライラプスは、東京だったとはいえ、控えて馬を前に置き、直線、一気に抜け出した瞬発力に威力を感じました。

　もう一人、武幸四郎騎手。トライアルのチューリップ賞を勝ったエイシンテンダーと、フィリーズレビュー2着のデアリングハートの手綱を取りました。この2頭では、暮れのG1戦で不利を受けながら0.3秒差の5着だったデアリングハートの全6戦の手綱を取ったことが目立ちます。ですが、同馬はエルフィンSでエアメサイアの6着だった馬。どちらを選ぶかは微妙です。負けていないエイシンテンダーで、とも考えられ、武兄弟の選んだ馬がラインクラフト対抗馬でしょう。