本番を前に白熱した戦いが繰り広げられそう
10月4日(水)大井競馬場で行われる『第51回東京盃(ダート1200m)』。1着馬には11月3日のJBCスプリントへの優先出走権が与えられるRoad to JBC。今年は中央・地方の実力馬が揃う群雄割拠の大混戦。どの馬からでも狙えそうな強豪メンバーが出走を予定していて、本番を前に白熱した戦いが繰り広げられそうです。まずはJRA勢5頭からご紹介しましょう。
ニシケンモノノフは前走・北海道スプリントCで1番人気に応えて快勝。不良馬場で逃げ、2着ショコラブランに4馬身差。3ヶ月ぶりの実戦でしたが、もともと休み明けでもしっかりと走るタイプ。ホッカイドウ競馬でデビューし、2歳時には門別の重賞イノセントCを勝利。JRA移籍後は兵庫ジュニアグランプリ、昨年5歳で兵庫ゴールドトロフィー、今年6歳になって北海道スプリントCを制覇しダートグレード競走3勝目を挙げました。ダート1200mの経験は8戦して【5-2-0-1】連対率87.5%と優秀。大井参戦は初めてですが、外回りの1200mは門別での好走から問題はなさそう。着実に力を蓄えてきたスプリンターがトップ戦線に名乗りを上げるチャンス到来です。
トップ戦線に名乗りを上げるチャンス到来のニシケンモノノフ(写真は2017年北海道スプリントC優勝時、撮影:田中 哲実)
一昨年の東京盃3着からJBCスプリントを制したコーリンベリー。昨年の東京盃は古豪ドリームバレンチノの2着に敗れ、苦手と言われている左回りの川崎で行われたJBCスプリントはダノンレジェンドの3着でした。大井競馬場は【2-1-1-0】と得意なコース。ダート1200mは【4-1-2-0】とすべて馬券圏内。骨折休養明けで久しぶりの実戦になりますが、今年は大井で行われる大目標のJBCスプリントに向け、女王の始動戦から目が離せません。
大目標のJBCスプリントに向け、ここから始動のコーリンベリー(写真は2015年JBCスプリント優勝時、撮影:高橋 正和)
昨年9歳で東京盃を制した、老いて益々盛んなドリームバレンチノ。2014年、2015年でも2着と非常に相性のいいレース。2012年函館スプリントS、2013年シルクロードSを制した芝の重賞ウイナーが6歳の秋にダートに路線を変更。初ダートとなった2013年のJBCスプリントでいきなり2着に好走。同年の兵庫ゴールドトロフィーでダートグレード競走初制覇。2014年には盛岡で行われたJBCスプリントも制したJpnIホース。今回、東京盃4回目の挑戦で連覇も視野に入れています。今年で10歳ですが、高齢を理由に軽視するのはまだ早いと思います。
連覇も視野に入れている老いて益々盛んなドリームバレンチノ(写真は2016年東京盃優勝時、撮影:高橋 正和)
北海道スプリントCでニシケンモノノフの2着だったショコラブラン。1200mの経験は通算25戦中13戦【3-5-4-1】と豊富。かきつばた記念3着、北海道スプリントC2着、クラスターC4着と堅実な走りを見せており、今回も上位争いに加わる可能性大。
4歳牝馬ナックビーナスは前走・キーンランドC3着、2走前は高松宮記念(8着)にも出走した芝のスプリンター。ダートはこれまで3戦して【1-2-0-0】。昨年1月の3歳未勝利戦(中山・ダート1200m)以来となる久しぶりのダート戦。武豊騎手との初コンビで未知の魅力あふれる1頭です。
結果を出してJBCへ向かいたいブルドッグボス
地方勢も有力馬がズラリ。まず筆頭は浦和のブルドッグボス。JRA所属時代から2016年の東京スプリントでコーリンベリーの4着、かきつばた記念でノボバカラの2着、クラスターCでダノンレジェンドの2着とトップホース達と勝ち負けを演じていましたが、今年7月に浦和・小久保智厩舎に移籍。初戦で休み明けだった習志野きらっとスプリントは3着でしたが8月のクラスターCで悲願のダートグレード競走初制覇を果たしました。前走・テレ玉杯オーバルスプリントはスタートでつまずき流れに乗れず3着。通算22戦中15戦している1200m【7-3-1-4】で巻き返し必至。ここで確実に結果を出してJBCスプリントに向かいたい大切な一戦です。
JBCスプリントへ向かうためにも大切な一戦となるブルドッグボス(写真は2017年テレ玉杯オーバルスプリント出走時、撮影:高橋 正和)
5月のかきつばた記念を制した兵庫のトウケイタイガー。JRAから移籍後の成績は11戦8勝2着1回。着外の2回は黒船賞の6着とプロキオンSの7着。かきつばた記念ではタムロミラクル、ショコラブラン、レーザーバレットらJRA勢相手に逃げて4馬身差の勝利。1400mに良績が集まっていることと、初めての大井が気になりますが、今回も川原正一騎手とのコンビで展開の鍵を握る1頭です。
川原正一騎手とのコンビで展開の鍵を握る1頭となるトウケイタイガー(写真は2017年園田チャレンジC優勝時、(C)netkeiba.com)
船橋のスアデラ。デビューから3連勝、ローレル賞でモダンウーマンの2着、東京プリンセス賞でリンダリンダの2着と早くから期待されていた素質馬が、4歳になって短距離戦で3連勝と素質開花。7月の習志野きらっとスプリントで南関東の重賞初制覇。前走・アフター5スター賞は1番人気で5着でしたが、南関東のスプリント女王として巻き返しに期待します。
南関東のスプリント女王として巻き返しに期待するスアデラ(写真は2017年習志野きらっとスプリント優勝時、撮影:武田 明彦)
そのアフター5スター賞を転入初戦で勝った船橋のキタサンミカヅキ。JRA時代、2016年3月の千葉S(中山・ダート1200m・OP)でブルドッグボスの2着、今年4月の京葉S(中山・ダート1200m・OP)ではショコラブランの5着など、今回出走しているライバルとも僅差の勝負をしていた馬。前走重賞を制した舞台での再戦が楽しみです。
例年ここで上位争いをした馬がJBCスプリントでも活躍しているように、本番に直結する重要な戦い。特に今年はJBCが大井で開催されるため前哨戦の最重要レースと言っていいでしょう。地方勢にも十分にチャンスあり。実力拮抗で息をつく暇も無いスプリンターたちの戦いにご注目ください!
※次回の更新は10月4日(水)18時。翌日に大井競馬場で行われる「レディスプレリュード」のコラムをお届けします。
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中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。