▲凱旋門賞を制したエネイブル、3歳牝馬の凱旋門&キングジョージ制覇は史上初の快挙 (撮影:高橋正和)
「レイデオロは凱旋門賞向き」と考えられる理由
この時期のフランスは天候が崩れることが多く、凱旋門賞も昨年のようなパンパンの良馬場で行われることは少ない(2007年〜2016年で、良馬場で施行されたのは5回)。今年も凱旋門賞当日のシャンティイは「曇り時々雨」の予報。馬場状態が大きなカギになるな…そう思っていた。
枠の並びは、サトノノブレスが5番、サトノダイヤモンドが13番。ノブレスは、ダイヤモンドをリードする競馬も考えられたが、枠が離れたことで、エネイブルにプレッシャーを掛けにいく役割を担うのだろうと思い、その動向に注目していた。
▲日本から参戦したサトノダイヤモンド(左)とサトノノブレス(右) (撮影:高橋正和)
実際、将雅は、スタート直後のポジション争いでエネイブルの直後を取り切り、終始、エネイブルの動きを意識しながらの競馬。が、プレッシャーを掛けに行く前に、外から早めにチンギスシークレットが動いてきた時点で、もう手応えがあまり残っていなかった。
ダイヤモンドは、中団の4列目を追走。4列目とはいえ、前に馬を置いて脚をタメられる形だったと思うし、チンギスシークレットの動きによって流れも悪くなかったはずだが、直線は早々に馬群に飲み込まれてしまった。パドックを見た感じでは馬体の張りもよく、ベストに近いコンディションに映ったが、「フォワ賞と同じくらいタフな馬場だった」というレース後のクリストフのコメントからも、あの馬場(重馬場)に能力を削がれてしまったとしか言いようがない。