◆この先も短距離戦にとどまるとは思えない 頭数は多くないが、今年は2勝以上馬が5頭も含まれ、また例年以上にレベルの高い馬がいる組み合わせになった。短距離戦にとどまらず、距離の幅を広げそうな馬もいる。
タワーオブロンドン(父レイヴンズパス)のオーナーは、H.H.シェイク.モハメド。外国産馬ではなく、持ち込み馬になるが、昨2016年の皐月賞馬ディーマジェスティ(父ディープインパクト)といとこの関係になり、ファミリーは日本でも人気のある世界の著名牝系出身。
タワーオブロンドンの3代は母ドッフザダービー。この牝馬は輸入された英ダービー馬ジェネラス、マイラーズCのオースミタイクーンなどの母として知られる。
ドッフザダービーの半姉が、凱旋門賞に2回挑戦して、2着(勝ち馬アレッジド)、5着のトリリオン(父ヘイルトゥリーズン)であり、その代表産駒がジャパンCに2度来日し、母に次いで凱旋門勝に3度も挑戦し、3着(勝ち馬ダンシングブレーヴ)、3着、13着(勝ち馬トニービン)の女傑トリプティク。
オルフェーヴルを5馬身もちぎった2013年、ゴールドシップなど日本馬3頭を問題にしなかった2014年の凱旋門賞で2連勝を飾り、3度目は4着だった牝馬トレヴ(父モチヴェイター)は、その4代母がトリリオンである。
タワーオブロンドンは、こういう凱旋門賞大好き牝系の出身で、母の父はダラカニ(その芦毛は凱旋門賞3着の輸入種牡馬クリスタルパレスゆずり)。ダラカニは仏ダービー馬であると同時に凱旋門賞馬でもある。
父レイヴンズパス(その父はゴーンウェスト産駒のイルーシヴクオリティ)は欧州のマイラーだったが、アメリカに遠征してBCクラシック(AW10F)に出走すると、レコードで勝ってしまった。そのとき、しんがりに負けたのが日本のカジノドライヴ(藤沢厩舎)で、タワーオブロンドンはなぜか藤沢厩舎である。
前回のききょうSは、決まり手は追い込みだが、途中からスパートし3馬身半も抜け出している。ここまでは短距離指向だが、モハメド殿下のダーレージャパンの馬でもあり、タワーオブロンドンがこの先も短距離戦にとどまるとは思えない。大きく変わってきそうに思える。
相手の筆頭としたいのは、ローズSで直線一気を決めたラビットランの半弟
アサクサゲンキ。父ストーミーアトランティック(その父ストームキャット)はダートの短距離馬だったが、種牡馬としての代表産駒は意外やほとんど芝の中距離で勝った馬である。
アサアクサゲンキはずっと短距離路線だが、半姉ラビットランと同じように、予測展望とは違って、実は…中距離でもの可能性がある。母の父に、アメリカンボスや、デルタブルースと同じくディキシーランドバンドの名がある。今年の京王杯2歳S組は楽しみな馬が多い。