収穫の多い最終追いとなったラッキーライラック
今月は2歳G1が目白押し。そこで各陣営が気にする「1勝馬」の出走具合。阪神JFは予想通り、抽選になりそうですが、朝日杯FSは特別登録の段階ですべて出走可能という状態。つまり1勝馬でも抽選なしに出走できてしまいます。
おまけに今年からG1に格上げとなったホープフルS。netkeiba.comのニュースで想定メンバーが挙がっていましたが、その記事では11頭とのこと。平地G1が10頭前後で行われるなんて、最近では2017年宝塚記念(11頭)や2016年安田記念(12頭)だけ。しかも想定メンバーには1勝馬もたくさんいて、宝塚記念や安田記念とはメンバーの質も違います。ワグネリアンがこのレースに見向きもしなかった時点で、このレースの存在価値に疑問を持たざるえないことは間違いないでしょう。
とはいえ、決まったことは決まったこと。出走を目指す馬たちは最高のパフォーマンスを見せるべく、精一杯の走りを見せてほしいですし、やっぱりできることならフルゲートでのレース。これが盛り上がるための最低条件のような気もします。
【阪神JF/ラッキーライラック】
デビュー前からしっかりした馬体と力強いフットワークが目立っていた馬ですが、新馬戦、アルテミスSとキャリアを積むごとにスケールアップしている印象を受けます。松永幹夫厩舎の牝馬で、CWコースでの追い切りを併用するケースはあまりありませんが、それだけ芯がしっかりしている、へこたれることがない馬と思ってよいと思います。
最終追い切りに関しては「あまり時計を出さないように」と松永幹夫調教師。それでも3頭併せの真ん中で6F82.6秒。ラスト1F標識手前で追い出すときっちりと伸びて11.9秒。3頭併せにした理由は「両サイドに馬を置いて、どんな反応か見たかった」と同師。あれだけしっかり反応できたのですから、収穫の多い最終追いだったと思います。
追い切りでしっかり反応できていたラッキーライラック(12月6日撮影)
【阪神JF/コーディエライト】
新潟2歳S以来となった前走ファンタジーSは当初の予定通りの栗東帰厩でしたが、もう1本追い切りを消化していればといった調教内容とレース結果。ただ自分でレースをつくることができるという脚質はここで大きな武器になってくることは間違いありません。
だからこそ、最後のひと踏ん張りが利くかどうか。そこに関しては、1週前追い切り、最終追い切りを見ていると、なんとかなりそうという走り。4F目が最速になる栗東坂路でのラップで、まっすぐ走れている点も評価できます。距離に関しても新潟2歳Sで経験済みという点が強調できます。
コーディエライトは最後のひと踏ん張りが利くかどうか(12月5日撮影)
【阪神JF/リリーノーブル】
前走白菊賞は右回り、直線が短いなどデビュー戦とは全く違うシチュエーション。それでも先行するレースぶりに変化はなく、後続もしっかり抑えての1着。パワーだけではなく、器用さも見せるレース内容だったといってよいでしょう。
今回の注目は中1週。過去10年で22頭がこのローテーションで出走して、すべて4着以下。のちにオークス、秋華賞、エリザベス女王杯を勝ったメイショウマンボも新馬勝ちから中1週での出走で10着に敗れています。「魔のローテ」といってもよいと思いますが、それを知っていても本命視したくなる最終追い切りの動き。前走を経験したことで、より反応が鋭くなった印象ですし、この馬単体で評価するなら当然前走以上でよいと思います。
リリーノーブルは反応が鋭くなった印象(写真奥・12月6日撮影)
【阪神JF/サヤカチャン】
未勝利を勝ち上がるまでに時間を要し、500万下も5着だったのに、前走が重賞で2着。この走りでG1のステージを掴んだわけですが、今回はレース間隔もあるので、しっかりと追い切りを積んできました。逃げるか先行して、あとは凌ぎ切る。そのレースに徹していることもあり、追い切りの動きもそんなイメージ。
CWコースでは常に単走ですが、速いラップを刻んでも、しっかり最後まで脚を使うというという感じ。だからこそ、地味でも掲示板には載ってくる堅実なところがあるような気がします。今回も状態に関しては変わりなさそう。それだけに流れがこの馬向きになるかどうか。着順はそれで決まるでしょう。
◆次走要注意
・12/3 チャンピオンズC【モルトベーネ】(13人13着)
着順は悪くなりましたが、先行することはできましたし、勝ち馬からは0.8秒差。今年の東海Sでの走破時計を2秒以上縮めたわけですから、決して内容は悪くありません。この感じで東海Sを走れば、次は十分勝ち負けです。
[メモ登録用コメント] [東海S]最終追い切り栗東坂路4F52秒以下なら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・2歳新馬【ツヅミモン】
栗東坂路では4F目12.0秒で動ける馬。それだけに最終追い切りのCWコースでは少しもたつくところもあると思いましたが、むしろ逆。最後の直線での反応は今まで見た動きで一番。ここはきっちり決めてくれるでしょう。
ツヅミモンの動きは今まで見た中で一番(12月6日撮影)
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