▲グラウンド造りと馬場造り、コジトモがその共通点に迫る!(写真:阪神園芸株式会社)
現在、日本のプロ野球球団の本拠地球場で天然芝を使用しているのは甲子園球場の他に、2009年にオープンしたMAZDAZoom-Zoomスタジアム広島と16年に天然芝に切り替えた楽天Koboスタジアム宮城の3つしかありません。芝は生き物なので、やはり管理には気を遣う事も多いのではないでしょうか。阪神園芸インタビュー2回目の今回は甲子園球場の芝管理、そしてJRAの芝馬場との共通点などを伺います。(取材:小島友実)
甲子園球場の芝管理
小島 甲子園球場の芝の面積と芝の種類を教えて下さい。
金沢 約9000平方メートルあり、バミューダ系のティフトンをベースにして、ペレニアルライグラスをオーバーシードしています。1982年から芝の種類は変わっていません。毎年トランジションの季節にペレニアルライグラスの種を蒔いて更新作業を行っています。芝の張替は行いますよ。
小島 いつするんですか? JRAの芝は毎年夏頃に傷んだ箇所を中心に張替を行います。
金沢 オフシーズンの1月、2月ですね。
小島 冬に張替をして根つくんですか?
金沢 凄く大変です。だから、根がしっかり張った状態の芝を業者から入手して張ります。
小島 張替は毎年、行いますか?
金沢 毎年ではなく不定期です。外野にいる選手は3人ですし、競馬に比べれば芝の使用頻度が低いので。2010年に1982年以来、約26年ぶりとなる全面張替を行いました。そして今年1月、全面ではないですが4分の3ほど張替を行いました。
▲甲子園球場の芝張替作業の様子(写真:阪神園芸株式会社)
▲東京競馬場の芝張替作業の様子(写真:小島友実)
小島 2010年から今回はスパンが短いですね。
金沢 ええ。2010年の時に張替えた後に土が硬くなってしまって、水はけが悪くなったんです。それを改善したいなというのがあり、張り替えました。
小島 芝の部分に関してはどんな手入れを行っていますか?
金沢 人工芝の球場に比べると手入れの量は増えるし、気も遣いますね。試合のある日はほぼ毎日、同じ条件にするために芝刈を行います。あとはスパイクで芝が掘れてデコボコが出来るので、砂を入れて回復させるようにしますね。
小島 JRAの馬場造園課も