名牝シーキングザパールと似た色彩がある/フェアリーS
◆不利に思われる外枠だが危険は少ない
注目のテトラドラクマ(父ルーラーシップ)が、ふつう中山の芝1600mではどうみても不利な大外16番を引いてしまった。大丈夫だろうか。
最近のレース結果を見ると、昨17年は15番ライジングリーズン(10番人気)が勝ち、15年には15番ローデッド(8番人気)が2着。14年にも15番のニシノアカツキ(10番人気)が2着に突っ込み、13年には14番のサンブルエミューズ(2番人気)が写真判定の3着に入っている。人気薄の伏兵が再三好走しているのである。
考えられる理由は、1勝馬の多いこのレースは各馬に大きな能力差がある。そのわりにきついペースになりがちな中山のマイル戦、馬群がバラけることが珍しくない。外々をまわされる危険は少ない。能力があればロスなく好位、中団につけられる。
また、キャリアの浅い同士、外枠のほうが馬群にもまれる心配は少ない。素質上位の馬が有利な内枠から好位を確保してしまうと外は不利だが、今年は内寄りの枠に有力馬は少ない。
テトラドラクマは、3戦目に勝った1600mの内容が秀逸。10月に牡馬ダノンプレミアム(目下のところ候補NO.1に近く、3戦3勝で最優秀2歳牡馬になると思える)が樹立した1分33秒0(勝ち馬の上がり34秒4)の快レコードと0秒9差の1分33秒9で楽勝だったのである。好位追走から最後「11秒6-11秒5」の決着を楽々と抜け出し、今回も対戦する2着のジョブックコメンに5馬身もの差をつけてみせた。上がりは34秒6。引っ張られて記録された時計ではない
牝系は、「シーキングザパール→シーキングザダイヤ母子」の大活躍で多くの馬が輸入されたファミリーになり、テトラドラクマの祖母プルーフオブラヴ(父サンデーサイレンス)が、NHKマイルやモーリスドゲスト賞(仏)など重賞を7勝もしたシーキングザパール(父シーキングザゴールド)の6歳下の半妹になる。いま甦ったボールドルーラー系種牡馬のクロスがベースになるあたりは、名牝シーキングザパールとテトラドラクマには血統的に似た色彩もある。
強敵は2戦目に1分34秒2でクビ差の好勝負をしたプリモシーン(父ディープインパクト)。ほかにも侮れない素質馬がいるが、大外の16番枠を克服して勝てるようなら、テトラドラクマは、ラッキーライラックが一歩リードする3歳牝馬のトップグループに入るランキングになると思える。