調教師にまつわることを答えていただきました
この度、上村洋行元騎手が5度目で調教師試験に合格。「まだお祝いができてないねん」という小牧騎手ですが、橋口弘次郎厩舎で同じ時間を過ごした間柄だけに、やはり上村調教師の今後を気に掛けている様子。そのほか、同じく調教師転身を目指す園田の木村健騎手との思い出など、今週は“調教師”にまつわる質問&リクエストをピックアップ!
(取材・文/不破由妃子)
調教師になったら、みんな少なからず変わるからねぇ(苦笑)
──今回、“調教師”にまつわる質問がけっこうきていまして。そういえば、上村さんが5度目のチャレンジで調教師試験に合格されたそうですね。
小牧 そうそう。よう頑張ったね。でも、まだお祝いも何もできてないんですわ。今までは勉強で忙しかったやろうし、受かったら受かったでまた忙しくなるやろうから、様子を見てと思ってるんやけど。
──その上村さんについて、「だいぶ前になりますが、『太論』での楽しそうな対談がとても印象に残っています。そのときとは立場は変わりましたが、今でもお付き合いはあるのでしょうか。小牧騎手から見て、上村元騎手はどんな調教師になると思いますか?」という質問がきています。
小牧 調教師になったら、みんな少なからず変わるからねぇ(苦笑)。まぁ変わらんとやっていけないんやろうけど。上村くんは…そうやなぁ、調教師になっても、いつも悩んでそうやなぁ。あの子はいつもいろいろと悩んでいるからねぇ。まぁ悩むこと自体は悪いことじゃないけど、今まで以上に気も遣うやろうから、あんまり考えすぎんようにとは思ってる。せっかく調教師になったんやから、楽しくやっていってほしい気持ちが一番やけど、今の時代、そうも言ってられへんからね。
──今でも変わらずお付き合いはあるんですか?
小牧 お付き合いというか、会えばちょこちょこ喋ってるけど、ふたりでゆっくりっていうのは最近ないね。上村くんに時間ができたらちゃんとお祝いして、いろいろ積る話を聞いてきますわ。
──それともうおひとり、園田の木村健(たけし)騎手についても、こんなリクエストがきています。「昨秋、木村健騎手が調教師を目指すという報道がありましたが、同じ園田出身騎手として、何か思い出があれば教えてください」。
小牧 調教師を目指すっていうのは、早いうちから聞いてたけどね。年齢が離れているから、これといった思い出はないんやけど…、あ、彼が学校に行く前の坊主頭の頃、車に乗せてどこかに連れて行ったのは覚えてるわ。彼のお父さんも騎手(木村隆元騎手)でね。年代的にも、僕はお父さんとのほうが仲が良かったから。
──たしかに、木村健騎手とは8つくらい年が離れていますものね。
小牧 そうやね。僕が園田で乗っている頃は、“元気いっぱいのジョッキー”という感じで、正直、それほど強い印象はないけどね。僕と(岩田)康誠が抜けてから、本格的に台頭してきた感じやし。
──そうですね。木村健騎手といえば、2010年のチューリップ賞をショウリュウムーンで勝っていますが、ショウリュウムーンの前走(3歳未勝利1着)は小牧さんだったんですよね。
小牧 あ、それはよう覚えてる。断然1番人気のアパパネを相手に強い競馬をしてね。僕はオウケンサクラ(2番人気)に乗っていて、たしか4着やったかな。
──そうです。レース前には、何かアドバイスされたりしたんですか?
小牧 いや、してない(苦笑)。ただ、ビックリしたことをすごく覚えてるわ。
──続いては、「調教師には、松永幹夫師や須貝師のような元騎手だった方と、池江師や角居師、藤原師のような騎手経験のない方がいますが、以前から(絶対数の差もあるとは思いますが)調教師のリーディング上位に元騎手が少ないのではないかと感じています。その違いは営業力なのか、あるいは調教のスタンスなのか、元騎手とそれ以外の調教師の違いとして、小牧騎手が感じていることを教えてください」という質問です。
小牧 騎手だったかどうかよりも、その人本来の営業能力じゃない? たとえどんなに馬をわかっていたとしても、やっぱり商売に長けてはる人には負けてしまうと思うから。営業もひとつの“技術”やからね。今の時代、それが大きいと思う。
──“元ジョッキー”というと、職人気質の方も少なくないですからね。
小牧 そうそう。そうなるとね、余計に難しくなるんちゃうかな。でもまぁ、元ジョッキーかそうでないかより、その人本来の性格によると思う。「元ジョッキーの調教師とそれ以外の調教師では、どちらのほうが仕事がしやすいですか?」とかよく聞かれるけど、そのどちらかでは僕は答えられん。経歴よりも、やっぱり性格やもんね。
調教師は経歴より性格やもんね