ダノンマジェスティ音無師が大ナタ/吉田竜作マル秘週報
◆師の苦渋の決断…ダービーを目指すために担当者代え
昨年は「ザッツPOG」で指名した馬たちが順調に勝ち上がり、ほくほくで年を越した…はずだった。しかし、ミッキーワイルド、ダノンマジェスティと“大駒”が続けて大敗。いずれも放牧を挟んで立て直すことになった。
しかし、ショックなのは外野の記者などよりも当事者たち。「大きい馬だし、血統的にも晩成なところがあった。ただ、それでも馬体は良かったし、攻め馬も動いていた。初戦の勝ち方も良かったし…。でも、人間が期待をかけすぎてしまったのかもしれません。やり直しですね」というのはクロッカスSで7着に敗れたミッキーワイルドの安田隆調教師。当初はファルコンS→NHKマイルCという青写真を描いていたが、このローテーションはダノンスマッシュ(朝日杯FS5着)に譲ることになった。
ダノンマジェスティの場合は、よりダメージが深刻に映る。デビュー戦も外ラチに向かって飛んで行ったが、2走目のきさらぎ賞でも終始頭を上げて走り、4コーナーでも外に逃げるしぐさを見せた。鞍上・松若も、どうにか御すのがやっとといった競馬で、ブービー(9着)と大敗を喫してしまった。
若駒だけに気性の若さを見せてしまうのは仕方がない。ただ、ダノンマジェスティの問題が厄介なのは、普段はおとなしく扱いやすい馬だということだ。
「僕の責任です。ゲートの中でソワソワするようなところを見せていたし、せめてゲートまでついていってあげれば良かった。でも、それよりも(松若)風馬が乗っても勝てるように、誰が乗っても大丈夫な馬をつくらないといけませんから」と肩を落とすのは担当の平井助手。そこで音無調教師も大なたを振るってきた。「放牧に出して、次は担当者を代えてみる。レースも次は左回りの大寒桜賞(3月24日=中京芝2200メートル)を内田博騎手で使う予定。ダービーを目指していきたいし、そのためには条件をガラッと替えないといけない」
残念だが、平井助手がさらなるステップアップをするためにも、ダノンマジェスティが“改心”するためにも、何らかの改革が必要だということ。この別離が一人と一頭の成長につながれば…。音無調教師は、きっとそんなことを考えて、この判断を下したに違いない。