春先の牝馬ハンデ戦、人気馬同士の結末はめったにない/中山牝馬S
◆距離とコース適性を重視、少しタフな芝状態も理想的
土曜日の降雨の可能性は0%となった。金曜日朝までの春の嵐の影響はどのくらい残るだろうか。近年の馬場の排水機能はすごいので、メインのころは「ちょっと時計がかかるかもしれない程度」の良馬場か、やや重に回復していると思える。
といって、春先の牝馬同士のハンデ戦。人気上位馬同士の結末などめったになく、最近10年の馬券に関係した30頭のうち、半数以上の「16頭」が6番人気以下の伏兵によって占められる。2ケタ人気馬が「9頭」もいる。
また、30頭のうち半数に相当する「14頭」が、軽ハンデとしていい「53キロ」以下の馬であり、大半は人気薄である。
距離と、コース適性を重視し、またやや重に近い芝コンディションは合っているのではないかと考え、54キロのゲッカコウ(父ロージズインメイ)から入る。
ダートのドバイWCを勝った父ロージズインメイ(その父デヴィルヒズデューの3代父はヘイルトゥリーズン)の代表産駒の多くは、スピード系のダート巧者が多い。だが、ゲッカコウは母父のシンボリクリスエス(3代父ヘイルトゥリーズン)、オークス2着の祖母チューニーの父がサンデーサイレンス(祖父へイルトゥリーズン)という配合なので、へイルトゥリーズンの「5×5×5」が特徴。
芝向きのスピード能力も前面に出したのが牝馬ゲッカコウであり、芝1800mには再三1分47秒台がある(最速は1分46秒6)。2走前の中山1800mのOP特別では、牡馬マイネルハニーを0秒1差まで追い詰め、人気の毎日王冠3着馬グレーターロンドンに1馬身半近くも先着する2着だった。
中山芝1800mはフラワーC2着を含め、ここまで【1-2-2-0】なので、条件ベスト。非力型ではないから、少しタフな芝状態も理想的だろう。予想される平均ペースの好位2〜3番手につけて進めると思える。
なお、ゲッカコウが2着した16年のフラワーCの勝ち馬は、今回対戦する54キロのエンジェルフェイスであり、エンジェルフェイスの全姉レディアルバローザは11年、12年の中山牝馬Sを連覇している。
相手本線は、そのエンジェルフェイス(全姉レディアルバローザだけでなく、半姉キャトルフィーユも14年の同着2着馬)と、もう1頭はマキシマムドパリではなく、そのいとこで同じ芦毛のキンショーユキヒメ(父メイショウサムソン)としたい。