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4年間お付き合いいただき、本当にありがとうございました

  • 2018年03月13日(火) 18時02分
祐言実行

 4年間続けてきたこのコラムも、今回の更新が最後になる。読者のみなさん、長いあいだお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

 こういった場で現役のジョッキーが発信することに対してはいろんな意見があり、自分のなかでも不安や葛藤があった。そんななか、自分は馬に乗ること以外の活動として、「競馬を知らない人に競馬の面白さを広めること」「競馬ファンにより深く競馬の魅力を伝えること」、この2つを2本柱として普及活動に努めてきた。このコラムもその一環で、こういう場を与えてくれたnetkeibaさんにはとても感謝している。

 競馬はもちろんギャンブルだが、一方でスポーツとしての魅力も多分にあり、そういった部分を競技者の目線から伝えることによって、より深く楽しんでもらえるのではないか…との思いがあった。なので、どこまで踏み込んだ話をしていいのかと手探りしながらも、自分なりに真摯に取り組んできたつもりだ。

 4年間やってきて気付いたのは、読者にとって自分が賭けの対象である以上、目にする側のフィルターによって、同じ言葉でも意味が変わってくるということ。正直なところ、そこにギャンブルならではの難しさを実感せざるを得なかった。

 もちろん、心のこもった応援メッセージや、「このコラムをきっかけに競馬がもっと好きになりました」というメッセージもたくさんいただき、力にもなったし、続けてきてよかったなと本当に感じた。また、レース回顧やQ&Aを通して、自分が伝えたいことはおよそ伝えられたのではないか…という思いに至ったのも、辞める決断をしたきっかけのひとつだ。

 もうひとつ、自分自身の変化もある。コラムを連載中に40歳を迎え、昨年の夏には2000勝も達成した。ジョッキーとしてのキャリアも20年を超え、プレイヤーとしての残された時間を考えたとき、これまで以上に“馬に乗ること”に集中したいなと思った。

 この場を通して、発信することの意義を感じることもできたし、同じくらい難しさも知った。自分にとって、本当にいい経験になったと思ってる。

 毎週楽しみにしてくれていた読者には申し訳ないが、これからはいい意味で好き勝手にやらせてもらおうかなと(笑)。自分でも“らしくない”と思うが、今年に入り、今までとちょっと違うリズムで歩き始めている自分がいて、その変化を楽しんでいる自分もいる。

 最後に改めて、毎週楽しみにしてくださった方、たくさんのメッセージや質問を寄せてくださった方、本当にありがとうございました。またいつか、これから歩んでいくであろう軌跡をどこかで伝えられたらと思っています。

 コラムを通して皆さんとつながれるのは最後になりますが、競馬場には毎週いるので(笑)、会いにきていただけたらうれしいです。今後とも福永祐一を、そして競馬をよろしくお願いします。


祐言実行

JRAジョッキー 福永祐一



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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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