池江師が語ったクラシック路線に乗せるための秘策/吉田竜作マル秘週報
◆手堅くオープン入りする工夫とは!?
桜花賞トライアルに続き、今週末で皐月賞トライアルも終了。牝馬、牡馬ともクラシック第1弾の顔ぶれがほとんど出揃う。POGの明暗も実質的にはほぼ決した?
ここで改めて注目してほしいのが、「2勝目を挙げる」ことの大切さ。実を言うと、以前にこの内容を取り上げた時は、重要な取材対象を欠いていた。過去10年の3歳馬による500万下クラス以上の成績でトップだった池江調教師の話が盛り込めなかったのだ。
「えっ? ヒデさん(藤原英調教師)のところじゃないの? 他にも堀さんとか、藤沢和先生とか…」が当の池江調教師のファーストリアクションだが、実際のところは勝率で他を圧倒している。
「春のクラシック路線には一頭でも多く乗せたいと思っているし、特にダービーには出したいよね。そこは当然、意識している」と言葉を続けた。やはり、2勝目を挙げることの重要性は意識の中にあるようだ。では、具体的にどのような工夫をしているのか?
「レースはどこへでも行く。冬の小倉の500万特別にも連れて行くし、中京の大寒桜賞なんかもよく使っているでしょ。その馬の能力と相手関係を見て、2つ目を勝てそうなレースを選んでいるつもり。乗り役にしても、サトノダイヤモンドのルメールの時のように、乗り役自身が“乗る”と言ってくれる馬もいるけど、そういうケースは多くはない。ローカルを使いに行くなら、その中で合う騎手にお願いしているつもり」
そこで手堅く2勝目を挙げれば、「トライアルも使いやすくなる」というわけだ。ただ、昨年リーディングを奪取した厩舎ですら、馬の能力を最大限に引き出し、狙い通りの2つ目を勝つことは一朝一夕で成し遂げられることではない。そのあたりについては、また次週――。
今週の話題も少々。若葉S(17日=阪神芝内2000メートル)はGI馬タイムフライヤーが当然、圧倒的な人気を集めるだろうが、実力馬ほど先の目標(皐月賞)を見据えていることは言うまでもない。馬券的にはジュンヴァルロが面白いとみている。
「(黄菊賞勝ち時に)ムーアでも抑えられなかったくらいだから。前回(ホープフルS14着)のように中途半端になるよりは、行かせてしまった方がいいね。能力はもちろん、勝負根性もある。バルジューには行ってもらうよ」と友道調教師が「逃げ宣言」。タイムフライヤーを筆頭とした有力馬が後方でけん制し合うようなら、土壇場での皐月賞切符ゲット(2着まで)がありそうだ。