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ダービーの緊張感

  • 2005年05月25日(水) 12時55分
 強い馬が強い勝ち方をしてくれる、これが競馬から得られる爽快感でしょう。

 今年のクラシックは、どれもがそんなレースの連続でした。もちろん、ダービーもそうあってほしいし、そうなることでしょう。

 ダービーは、全てのホースマンにとっての最大目標、いくら強豪がいようとも、この舞台に立つことが出来たら、少しでもチャンスを見い出すべく、虎視眈々。それに応える騎手の果敢なプレイを、いつも願ってきました。戦う前からどうにもならないと思って騎乗するものはいないでしょう。あの、スタートの時の大歓声。あの中には、全ての馬への応援の意味がこめられ、レースそのものへの期待感がみなぎっています。

 そして、それを伝えるもの、そこにも同様の思いがにじんできます。

 ダービーの実況は、昭和46年のヒカルイマイからずっとやってきました。どのレースより数多くしゃべっています。最初の16年間が、ラジオで、同時に場内にも流されていました。自分の声が広いスタンドにこだまするその状況はどのレースよりも感動的です。ターフビジョンのなかった時代が長く、アナウンスに素早く反応してくれる手応えを確かめながらしゃべっていたものです。

 そして昭和62年からはテレビの収録用にしゃべっています。モニター画面と合わせながらの実況で、こちらは、音声だけのものとは大きく異なります。

 しかし、スタートの一瞬の緊張感は同じです。さあ来いと自分に気合いを入れるのですが、どれよりも早くスタートを切る馬を探すのがポイント。これまで一番いいスタートを切った馬が勝利するシーンを、幾度も伝えて来ました。これは、騎手の心構えに通じるものです。出走馬が18頭になってからは久しく、これは、有力馬にとっては好都合。強い馬の強い勝ち方は、必然なのかもしれません。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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