日本レコードと0秒5差、総合スピードは十分備えている/大阪杯
◆昨年と同じような総合力勝負になる
ドバイワールドCデーと同じ週。仮にドバイシーマクラシック、ドバイターフに出走している「8頭」がここに出走したなら、除外されてこのG1には出走できなかった馬がかなりいる計算になる。
春はこのあと「→天皇賞(春)3200m→宝塚記念2200m」が古馬の中〜長距離のビッグレース。秋の「天皇賞(秋)2000m→ジャパンC2400m→有馬記念2500m」というほぼ同距離の古馬3冠より、距離の幅がだいぶ広い。
秋シーズンに当てはめると、天皇賞(秋)の位置に置かれることになった同じ2000mの「大阪杯」は、マイラーに近い中距離タイプにとり、思われていた以上に大きな目標になりそうである。ドバイ遠征馬がいるにもかかわらず、G1連対馬が8頭も(勝ち馬は5頭)揃った好カードになった。
キタサンブラックが勝った昨年と同じような総合力勝負になるとみて、4歳スワーヴリチャード(父ハーツクライ)に注目したい。物足りない直線だった昨春の皐月賞2000mが、勝ったアルアインと0秒4差の1分58秒2。速いラップの連続した秋のAR共和国杯2500mを2分30秒0での圧勝は、日本レコードと0秒5差だけ。総合スピードは十分備えている。
ポイントはちょっと死角のある右回りだが、まだ未完の2歳秋の阪神2000m(内回り)を、少しもたれつつ2着、1着しているくらいだから、ささり癖はひどいわけではない。有馬記念の直線は内にもたれたが、あれは3コーナーから外々と回って強引なロングスパートで苦しくなって失速したためで、ささったから0秒2差の4着にとどまったわけではない。
中山の3コーナー近くからのロングスパートは、有馬記念の有力馬が再三止まった苦しい形であり、小回りのように見えて中山の3コーナー近くからゴールまでは800mもある。もっとも苦しくなったところに急坂が待っている。どんな名馬もあれに近い形は苦しく、スワーヴリチャードと同じ3歳時のディープインパクトでさえ、ハーツクライに及ばなかった遠因でもある。
右回りを考慮し、好位から内にもぐり込みたかったスワーヴリチャード(ミルコ)にとり、大外15番枠を引いたのは誤算だが、道中で流れが緩むようなら早めに好位に進出し、内に入るチャンスもあるだろう。
大外枠と、右回りに対する死角で人気は下がり気味であり、また今年もドバイへ行けなかった(悲しい)ミルコ・デムーロは強気に思い切り良く乗りたい。
怖いのは、ミッキースワロー(父トーセンホマレボシ)。アルアイン(父ディープインパクト)の方が売れそうだが、状態の差はあったとしても、秋のセントライト記念2200mではまるで爆発力がちがっていた。皐月賞馬アルアインの距離適性が言われるなら、もっと合っているのがミッキースワローだろう。
サトノダイヤモンド(父ディープインパクト)は、こなせる距離の幅は広いかもしれないが、実際はこの2000mがベストではないかと思える。この馬が三番手。穴馬は、皐月賞の内容と中間のデキの良さからペルシアンナイト(父ハービンジャー)。