▲14日土曜日にはアンビシャス、ウィンクス(写真)、プレストウィックがシドニーに集結
(4月12日号 文=ポール・シムズ)
オーストラリアの競馬にまつわる話題をお届けする「ビクトリア競馬便り」。今回のコラムでは、いよいよ今週土曜日に迫ったアンビシャスとウィンクスの対戦と、現役引退が発表されたトーセンスターダムに関する話題をお伝えします。
プレストウィックもアンビシャスも順調に調整
14日土曜日はシドニーが熱い!ロイヤルランドウィックで行われる芝2000mのG1クイーンエリザベスSに、日本から移籍したアンビシャスが出走を予定している。このレースには25連勝記録がかかるウィンクスもエントリーしていて、世界女王相手にアンビシャスがどのようなレースを展開するか注目される。さらに、芝3200mを舞台としたG1シドニーCに、日本のプレストウィック(牡7、美浦、武藤善則厩舎)が出走する。
▲25連勝記録がかかるウィンクス(写真)との対決となるアンビシャス
これまで6勝を挙げているプレストウィックは、前々走G2ステイヤーズS(3600m)で、2015年G1メルボルンCで一番人気になったフェイムゲームから2馬身差の3着と好走した。シドニーCでは53kgを背負い、20頭立ての11番枠から出走を予定している。ブックメーカーによると、現在11倍の4番人気となっているプレストウィックだが、彼の前に立ちはだかるのは、2016年メルボルンC勝ち馬アルマンディンや、アルマンディンと同厩舎で前走フレミントン競馬場で勝ち星をあげているアロフトといった強豪たちだ。異国の地で初出走を迎えるプレストウィックには、ぜひ実力を発揮して頂きたい。
一方、さらなる強敵を相手にしなくてはならないのがアンビシャスである。G1クイーンエリザベスSを勝てば、豪州無敗の名牝ブラックキャビアの連勝記録「25」に肩を並べることになるウィンクスとの初対決は、筆者も非常に楽しみなレースである。
▲ウィンクスはここを勝利すればブラックキャビアの連勝記録「25」に肩を並べる
トーセンスターダム、現役生活にピリオド
7日にロイヤルランドウィックで行われたG1ドンカスターマイル(1600m)に出走し、15着に大敗したトーセンスターダム(父ディープインパクト)が現役を引退し、メルボルン郊外にあるウッドサイド・パーク・スタッドで種牡馬入りすることが、オーナーサイドより発表された。
豪州リーディングトレーナーのダレン・ウィーア厩舎へ移籍したトーセンスターダムは、通算29戦7勝、獲得賞金は3,442,526豪ドル(約2億8500万円)に及ぶ。移籍後はオーストラリアで13戦し、2017年のビクトリア・スプリング・レーシングカーニバル期間中に行われたトゥーラックH(1600m)とエミレーツS(2000m)のG1・2勝を挙げる活躍を見せた。
トーセンスターダムを所有するオーストラリアン・ブラッドストック・シンジケートのジャーミー・ロヴェット氏はトーセンスターダムについて次のように語った。
「レースでの闘争心が以前よりも見られなくなり、現役を引退させることに致しました。有終の美を飾ることはできませんでしたが、私たちの期待通り大変素晴らしい活躍を見せてくれました。馬はとても元気です。これからの種牡馬としての活躍に期待したいと思います」