馬群をさばき前回の雪辱を果たせるか/アーリントンC
◆侮りがたい強敵は多いが、快走できれば展望は大きく広がる
前回が、結果として脚を余したに近い残念なレースだからといって、一転、今回はスムーズに能力全開が望めるというものではないが、インディチャンプ(父ステイゴールド)の前回はちょっと残念な3着だった。
どの馬にも、どの陣営にもあることだが、この時期の重賞であと一歩の3着(条件分けの賞金加算0円)はせつない。インディチャンプの母ウィルパワー(父キングカメハメハ)は、NHKマイルCを3着などのアイルラヴァゲイン(父エルコンドルパサー)の半妹であると同時に、安田記念のリアルインパクト(父ディープインパクト)や、香港GIのQエリザベス2世Cを制したネオリアリズム(父ネオユニヴァース)の半姉にあたる。
マイル路線を展望していたのか、ネオリアリズムのように中距離路線(つまりこの段階ではクラシック路線)も考えていたのかは定かではないが、もし、前回、ブラストワンピース(日本ダービー予定)の2着に食い込んでいたら、楽に皐月賞に向かえる賞金額に達していた。今年の場合は、皐月賞に大手を振って出走していたかもしれないのである。2着ギベオンとはクビ差の3着だった。
3コーナー手前でちょっとかかり気味になったので引いたら、あっという間に最後方。インから抜けたブラストワンピースが上がり33秒9で楽勝した「毎日杯」のことだが、直線は前の空きそうもないインから外に回って、インディチャンプは後半33秒6で猛然と差を詰め、0秒3差の3着。道中のロスを最小限にとどめていたら、ブラストワンピースとも差はなかったと思える脚だった。
今度は能力接近の13頭立てなので、前回(10頭立て)以上に馬群をさばくのは難しくなるが、1600mのそれなりの流れなら折り合いの心配はないだろう。残念な印象の残った前回の雪辱を果たしたい。タワーオブロンドン、エアアルマス、レッドヴェイロン、パクスアメリカーナなど侮りがたい強敵が多いので、ここで快走するとき改めて展望は大きく広がるはずである。