手ごろな12頭立て、千載一遇のチャンス/福島牝馬S
◆平坦血筋を引くステイゴールド一族が得意なコース
創設されて過去14回。ここまですべて15頭以上で行われ、3連単(05年以降)の配当10万円以上が「13回中7回(うち3回は50万円以上)」も出現する波乱のレース。
今年は珍しく12頭立てになったが、低配当の危険は少ないだろう。手を広げるつもりで挑戦したい。
5歳ワンブレスアウェイ(父ステイゴールド)から入りたい。ドリームジャーニー、オルフェーヴル兄弟を筆頭に、ナカヤマフェスタ、フェノーメノ、ゴールドシップ…などが大活躍→後継種牡馬入りし、「ステイゴールド」系が成立しているが、88年の函館記念を現在も残る1分57秒8の快レコードで圧勝したサッカーボーイ(父ディクタス)の一族として発展を開始したこのファミリーは、ベースが「ノーザンテースト、プリンスリーギフト、ディクタス(仏)←サンクタス(仏)←ファイントップ(仏)」の組み合わせなので、最初からローカルの平坦コースが合っていた。
「福島コースは厳密にいうと高低差が約2mあるから平坦ではないと、やや重箱の隅をほじくるような説明もあるが、100m走って1m上るなど、馬にすれば(人にしても)それは坂ではなく、平らなコースの範囲だと考えたい」
平坦血筋を引くステイゴールド一族の関連馬は、福島牝馬Sで09年にアルコセニョーラ(父ステイゴールド)が11番人気で2着に突っ込み、マイネカンナ(母の父サッカーボーイ)が勝ち(08年)、レクレドール(ステイゴールドの全妹)が05年に3着するなど、得意なコース。
また、ワンブレスアウェイの母ストレイキャットは、種牡馬ゼンノロブロイ(その父サンデーサイレンス)の半姉であり、典型的なアメリカ血統のゼンノロブロイ(期待ほどは成功していない)産駒は、シャルールが16年に2着、リラヴァティが15年に2着、コスモネモシンが11〜12年に連続2着するなど、やっぱり平坦に近いコースを活路にしているところがある。母方からも福島コース適性が考えられるワンブレスアウェイは、5走前に福島1800mを1分47秒2(上がり34秒4)で快勝している。
オープンに昇格したあと善戦止まりだが、2度目の福島。こういうコースに慣れている津村騎手なら重賞での快走を期待していいだろう。
デンコウアンジュ、キンショーユキヒメの2頭を出走させる種牡馬メイショウサムソンもやや苦戦ムードだが、昨年はルミナスウォリアーが函館記念を勝ち、フロンテアクイーンがこの福島牝馬Sを2着、デンコウアンジュが小差4着するなど、ローカルの平坦コースで台頭しかかっている。好馬体を誇るキンショーユキヒメは、いつにも増して動いた。この牝馬は父と同じく小倉(平坦コース)で勝って出発した。少し不器用な印象があるので、高速の芝ではない今年、たまたま手ごろな12頭立てになったのは千載一遇のチャンスではないかと期待したい。