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ウィンクス主戦のヒュー・ボウマン騎手、短期免許取得し今週から日本で騎乗

  • 2018年04月26日(木) 18時00分
ビクトリア競馬便り

▲天皇賞・春でシュヴァルグランに騎乗するヒュー・ボウマン騎手


(4月26日号 文=ポール・シムズ)

 オーストラリア・メルボルンから競馬にまつわる話題をお届けする「ビクトリア競馬便り」。今回は、メルボルンにおける春最大の競馬の祭典「スプリング・カーニヴァル」へ遠征の可能性がある日本のトップステイヤーについてお話ししたいと思います。

 25連勝を達成したオーストラリアの女傑・ウィンクスの主戦として知られるヒュー・ボウマン騎手が、京都競馬場で行われるG1天皇賞・春に出走を予定しているシュヴァルグランに騎乗するため、今週はじめ日本へ向けて出発した。昨年優勝したG1ジャパンカップについて「騎手人生の中で最高の勝利の1つだった」と話しているボウマン騎手は、強豪が揃う天皇賞・春で、再び最高の勝利を収めることができるのか、注目したい。

「ウィンクスとともに挙げた勝利はもちろんのこと、ジャパンカップを勝てたことは騎手人生の中で最高に嬉しく、そして忘れることのできない瞬間でした。常にトップクラスのレースで成績を収めてきたシュヴァルグランは、天皇賞に向けて順調に来ているようですし、必ず良い結果が出ると思っています」とボウマン騎手は語る。

 通算G1・77勝を挙げている37歳のボウマン騎手は、6月上旬まで日本に滞在する予定で、日本でのレース経験は、彼の騎乗技術をさらに高めることは間違いない。

「これまで何度も日本での騎乗機会を与えていただいたので、日本の競馬には慣れてきました。でも常にチャレンジ精神を忘れないようにしています。いつも向上心を持っていないと上を目指すことはできません。日本とオーストラリアの競馬のシステムはやはり大きく異なります。斤量についても、自分に課せられた課題であり、しっかり学んで対応していかなくてはいけないと思っています」

ビクトリア競馬便り

▲6月上旬まで日本に滞在する予定のヒュー・ボウマン騎手


日本のステイヤーには、ぜひスプリング・カーニヴァルを視野に


 オーストラリア・ビクトリア州の競馬統括団体「レーシング・ビクトリア」は、例年日本のステイヤーに対してスプリング・カーニヴァルへの招致を行っている。シュヴァルグランも対象の1頭である。これまで日本馬のリクルートを行ってきたレーシング・ビクトリアの前渉外担当役員リー・ジョードン氏(現在は、フレミントン競馬場を運営する「ビクトリア・レーシング・クラブ」のエグゼクティブ・ゼネラルマネージャー)は、2006年のデルタブルースに続く日本馬によるメルボルンC制覇の可能性は非常に大きいと語る。日本の競馬を良く知るジョードン氏が、天皇賞・春に出走する有力馬について次のように語っている。

 アルバート:昨年、関係者の皆様はメルボルンC出走に対して非常に前向きでしたが、残念ながら遠征が実現することはありませんでした。今年もぜひ、スプリング・カーニヴァルへの参加を検討いただけるよう、私が日本を訪問した際には、オーナーはじめ、関係者の皆様に直接お会いしてお話しさせていただきたいと思います。

 チェスナットコート:前走の日経賞で2着に好走しました。矢作芳人調教師もオーストラリアの競馬をよくご存知な方ですので、ぜひチェスナットコートのメルボルンC出走を前向きに検討していただきたいです。

 シュヴァルグラン:日本のステイヤーの中でもトップクラスを誇るシュヴァルグランがメルボルンCに出走すれば、スプリング・カーニヴァルも大いに盛り上がることは間違いありません。ハンデ戦なので、斤量がポイントとなるはずです。

 クリンチャー:前田幸治オーナーと宮本博調教師は、オーストラリア遠征に大変興味をお持ちのようです。

 ガンコ:ダートから芝へ転向してから素質が開花し実績を上げているので、ぜひ海外遠征も視野に入れていただきたい1頭です。

 レインボーライン:ステイヤーらしい走りで、前走の阪神大賞典では素晴らしい勝ち方でした。私が大好きな日本の馬の1頭です。

 サトノクロニクル:前走の阪神大賞典でレインボーラインに敗れはしましたが、強い競馬を見せたと思います。

 トーセンバジル:昨年のG1香港ヴァーズで好走を見せたように、大変実績ある馬ですので、ぜひ関係者の皆様には、オーストラリアへの遠征を検討していただきたいです。

1864年に創設された、オーストラリアのビクトリア州における競馬主催団体。メルボルンCなどの大競走が行われるフレミントン競馬場をはじめとした、ビクトリア州各地の競馬場で開催される競馬の運営・統括をしている。近年では日本調教馬の移籍も多数実現しており、日豪の関係に重要な役割を担っている。

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