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ホッカイドウ競馬、日本一早い新馬戦など4日間で35レースが行われる

  • 2018年04月26日(木) 18時00分
生産地便り

ホッカイドウ競馬初日のスタンド風景


好調な売り上げの陰で、さまざまな問題も


 4月18日(水)、今年度の道営ホッカイドウ競馬が開幕した。昨年までは、開幕日にいきなり3歳3冠路線の第一弾となる「北斗盃」がメインレースになっていたが、今年は日程が大幅にずれたため、この日の売りは第8レースの全国一早い2歳戦である「スーパーフレッシュチャレンジ」競走であった。

 1着賞金も2歳認定戦としては破格の300万円で、注目度も高かったが、あいにくこの日は日中から日高沿岸は濃霧がかかり、時間の経過とともにどんどん視界不良となってきて、ついにこの第8レース直前になってから、中止の措置が取られるツキのなさであった。

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濃霧のため第8レース直前で中止となった

 パドックから各馬が本馬場に出て、返し馬を済ませたところで、主催者が取り止めを決断したのである。聞いたところによれば、スタンドから向こう正面の内埒が肉眼で確認できるかどうかが中止を決める際の基準になるという。映像で捉えられるかどうか、あるいはパトロールフィルムで確認できるかどうか、がポイントになるらしい。その意味ではいささかレース続行には無理のある濃霧であった。

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認定戦の返し馬

 門別ではこれまでにも濃霧による中止が過去に何度かあり、海岸に近い地理的条件の競馬場なので、6月以降は濃霧がかかりやすい土地ではある。だが、この時期にこれだけ濃い霧がかかるのも珍しく、何とも不運な中止になってしまった。

 結局、開幕初日は前半の7レースのみを実施できただけで、1億2002万円の売り上げに終わり、やや出鼻をくじかれたような形になった。
 
 毎年、ホッカイドウ競馬の春先開催は週2日である。今年も18日と19日、そして今週もまた24日(火)と25日(水)の2日間開催で、ここまでの4日間が第1回門別開催となる。

 今開催の締めくくりは、昨日行なわれたサッポロビール杯「第8回・コスモバルク記念」。JBC協会より1着馬の生産牧場にゴールドシップの交配権利が副賞として贈られる。

 ホッカイドウ競馬の一線級10頭が顔を揃え、1800mで争われた。人気の筆頭は昨年このレースを制しているオヤコダカ(石川倭騎手)、続いて昨年の道営記念優勝馬ステージインパクト(五十嵐冬樹騎手)、スーパーステション(阿部龍騎手)という順である。

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コスモバルク記念のパドック、今年は10頭が出走した

 レースは終始先行して、直線に向いてからもしぶとく粘ったスーパーステションが、追いすがるドラゴンエアル(服部茂史騎手)をクビ差抑え、優勝した。オヤコダカは3着に敗退した。

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スーパーステションがしぶとく粘って優勝

 スーパーステションは牡4歳栗毛で、父カネヒキリ、母ワイルドイマージュ(母の父ワイルドラッシュ)という血統。角川秀樹厩舎、馬主は(有)グランド牧場(生産も)。これで昨年のダービーグランプリ(水沢)に続き、3つ目の重賞制覇で、通算成績を18戦9勝とした。収得賞金は2220万円。

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4歳ながら既に重賞3勝のスーパーステション

 また、この日の第5レースに、JRA認定フレッシュチャレンジ競走が組まれており、実質的にこのレースが日本で最も早い2歳戦として位置づけられることになった。

 しかし、当初8頭立ての予定が、直前に2頭が出走を取り消し、6頭立てというまことに寂しい顔ぶれになった。昨年は開幕の4日間に2歳戦が合計3レース組まれていたことと比較すると、今年の出足の悪さがやや気になるところ。

 レースは1番人気に支持されたラブミーリチャードが終始リードして、難なく先頭でゴールイン。今年最初の2歳勝利馬となった。父スウェプトオーヴァーボード、母クロストウショウ(母の父アグネスタキオン)の黒鹿毛牝馬で田中淳司厩舎、宮崎光行騎手が騎乗し、馬主は小林祥晃氏、新ひだか町の嶋田牧場生産。

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日本一早い新馬戦を制したラブミーリチャード

 これで第1回門別開催を終えたことになるが、初日の濃霧による中止があったにしても、昨年と比較すると、レース数、出走頭数ともに一段と少なくなっている点が気がかりだ。

 臨戦態勢にある2歳馬が揃っていないことや、3歳以上の古馬の駒数が足りないことなどに起因しているのだろうが、それにしても、4日間で35レース、281頭の出走頭数は、昨年同期の41レース、355頭の出走頭数と比べてもずいぶん見劣りがする。

 1レースあたりの平均出走頭数は昨年が開幕4日間で8.6585、今年は8.0285である。ある厩舎関係者は「道営の場合、特定の厩舎だけに入厩馬が集中する傾向が強いのと、他の厩舎も、厩務員が足りないばっかりに馬を預託できないでいるところが少なくない。春先の出走馬確保はいろいろな問題点があり、簡単には解決できない」と漏らす。

 今週は南関が浦和開催で、ナイターは門別だけであった。そのせいか、昨日などは4億9417万円を売り上げたが、わずか9レース、67頭の出走では何とも物足りない。

 ともあれ、好調な売り上げの陰で、さまざまな問題がありそうだ。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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