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経験値の高さから優位に立つ、ビッグスモーキー/兵庫チャンピオンシップ

  • 2018年05月02日(水) 18時00分


そろそろ地方勢の活躍にも期待したいところ


 ゴールデンウイークに行われるダートグレード競走・3戦目は5月3日(祝・木)園田競馬場で行われる『第19回兵庫チャンピオンシップ(JpnII・1870m)』。コパノリッキー、ケイティブレイブらがここから躍進した、未来に繋がる若駒たちの戦いです。

 第1回・笠松のミツアキサイレンス、第2回・兵庫のロードバクシン以降、昨年までJRA勢が16年連続優勝中で、しかも上位独占。地方勢は過去10年で2011年2着・兵庫のホクセツサンデー、2010年3着・兵庫のフィオーレハーバーの2頭が馬券圏内に健闘したのみ。今回もその傾向は続きそうですが、そろそろ地方勢の活躍にも期待したいところです。

 それでは今年も中心となりそうなJRA勢5頭からご紹介しましょう。

ダート戦なら上位争い必至のビッグスモーキー


 ビッグスモーキーは全日本2歳優駿でルヴァンスレーヴの5着(デビュー戦もルヴァンスレーヴの2着)。その後は芝のレースに挑戦。2月のすみれS(阪神・芝2200m・OP)でキタノコマンドールの3着、3月のスプリングS(中山・芝1800m・GII)では直線で不利があっての10着。スプリングS出走組からは2着だったエポカドーロがGI・皐月賞制覇、7着だったゴーフォザサミットがGII・青葉賞を制覇と続々と活躍馬を出しており、ビッグスモーキーもこれに続いてのタイトル奪取に期待が集まります。芝でも好走していましたが、ダート1800mは【2-2-0-0】と100%連対。半姉にダートグレード競走3勝馬・ワイルドフラッパーがいる血統の後押しもあり、ダート戦なら上位争い必至です。

半姉にダートグレード競走3勝馬・ワイルドフラッパーがいる血統のビッグスモーキー(写真は17年もちの木賞優勝時、(c)netkeiba.com)


 テーオーエナジーはデビュー以来、ダート1800mだけを4戦して【2-1-1-0】。2戦目3着だった時の勝ち馬スマハマはその後ヒヤシンスSを勝利。3戦目の勝ち馬グレートタイムもヒヤシンスS・4着馬。戦ってきた相手を考えると力上位と言えそう。前走・阪神の500万下を5馬身差の圧勝で、満を持してのダートグレード競走挑戦。兵庫チャンピオンシップをすでに3勝している岩田康誠騎手が鞍上というのも実に心強いです。

兵庫チャンピオンシップを3勝している岩田康誠騎手が鞍上のテーオーエナジー(写真は18年3月18日3歳500万下優勝時、(c)netkeiba.com)


 メイショウヒサカタは前走・昇竜S(中京・ダート1400m・OP)を制した牝馬。JRA勢では唯一のオープン勝ち馬。デビュー以来短距離中心に使われており、今回は距離延長がカギ。2006年のグレイスティアラ以来12年ぶりの牝馬による勝利を目指します。

12年ぶりの牝馬による勝利を目指すメイショウヒサカタ(写真は18年昇竜S優勝時、撮影:高橋正和)


 ワークアンドラブは2走前・ヒヤシンスSで9着、前走・伏竜Sで5着。オープンクラスでは厳しい戦いが続いていますが、鞍上に地元の名手・田中学騎手を迎え、変わり身に注目。

 キャベンディッシュも前走・伏竜Sで7着。スタートがカギとなりますが、今回は2走前・中山の500万下で道中まくって勝利した時のM.デムーロ騎手とのコンビ。園田のコースでどんな戦法を見せるか、注意が必要です。

キャベンディッシュはM.デムーロ騎手とのコンビでどんな戦法を見せるか(写真は18年3月17日3歳500万下優勝時、撮影:下野雄規)


 地方勢から筆頭は前走・菊水賞(兵庫3歳3冠レースの1冠目)を6馬身差で逃げ切った、兵庫のアゼツライト。今回JRA勢に逃げ馬が不在のため、走り慣れた地元のコースで自分の競馬ができれば上位争いに加わることも可能。鞍上は一昨年、ケイティブレイブを勝利に導いた5000勝ジョッキー・川原正一騎手。JRA勢相手にどこまで戦えるか目が離せません。

前走・菊水賞を6馬身差で逃げ切ったアゼツライト(写真は18年菊水賞優勝時、撮影:稲葉訓也)


 兵庫のクリノヒビキはJRAから移籍後、園田で5戦して【3-0-1-1】。父はダート短距離で活躍したバンブーエールで、2008年に園田競馬場で行われたJBCスプリントを制覇。距離に不安はありますが、園田競馬ゆかりの血統で上位を狙います。

 レース経験の浅い3歳馬たちの戦いで、ダートグレード競走に出走経験があるのはビッグスモーキーのみというメンバー。力の優劣を見極めるのは難しいですが、ここでどんな戦いをするのか、今後を占う意味で重要な一戦です。コパノリッキーやケイティブレイブのような未来のスターホースを見つける楽しみのあるレース。ピカピカの若駒たちの姿を目に焼き付けてください。

※次回の更新は5月29日(火)18時。翌日に浦和競馬場で行われる「さきたま杯」のコラムをお届けします。


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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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