サートゥルナーリアは掛け値なしのホンモノ/POGマル秘週報
◆エピファネイアやリオンディーズと比べても遜色なし!
血統馬の早期入厩が珍しくなくなってきたとはいえ、角居厩舎最初の2歳入厩馬がシーザリオの息子サートゥルナーリア(父ロードカナロア)と知ったときは素直に驚いた。角居厩舎一番の期待馬といえば、暮れの阪神デビューが当たり前だった、あの時代は遠い昔のことになりつつある。
「牧場のほうからの要請もあったみたいで、まずはゲート試験だけでも受けようか、と」
辻野助手からそう聞いたのは先月初めのこと。予定通りに早期入厩をしたサートゥルナーリアは、ゲート試験にもさっさと合格して先週末に短期放牧。阪神2週目(6月10日)の芝外1600メートル新馬戦を目指して2週後に再入厩する――と、ここまでは多くのPOGファンが知るところだが、最大の焦点はドラ1確実なこの馬の“真の評価”がどれほどのものか? これに尽きる。
というわけで、岸本助手に聞いてみた。母シーザリオのアメリカンオークスにも帯同しただけでなく、エピファネイア、リオンディーズに、3月末に未勝利戦を勝ち上がったシーリアまで。この血統のほぼすべての馬に乗り、特徴のすべてを知り尽くしている彼は、実は普段から、いわゆるリップサービスがまるでない人物。だからこそ、より参考になるのではないか、と考えたからだ。ところが…。
「いいよ、この馬。2〜3本追い切ったら、今の段階でも(世代が1つ上の)3歳未勝利くらいは楽に勝ちよるわ」
聞いたこちらが拍子抜けするほどの高評価。おいおい、いつからリップサービスを覚えたんだよ的なツッコミを入れても、
「いや、ホントにいいんだって。エピファネイアやリオンディーズと比べても、乗り味なんかは遜色ない。どちらかといえば、エピに近いパワー型になりそうな感じかなあ。とにかく(悪く)言うところが何もないわ」とサラリ。どうやらホントにホントで“ホンモノ”のようなのだ。
「小さなことをいえば、球節の形がちょっと気になるとか、まあ、あることはあるよ。いまは素直でおとなしくても、調教を進めて競馬を使っていけば、いずれはハミに乗っかってくるとは思う。でも、それくらいのことはなんとかなるし、この血統は難しいところが出てくるくらいでないと走らんからね。それでええんちゃう」
ちなみに今年の2歳世代はゲート試験の受験率が低く、JRAから2歳馬の入厩を促すようなメールが各調教師に送られている状況とか。阪神開催の新馬戦は例年以上の少頭数となることが予想される。となると出たとこ勝ちは、もはや決まったも同然?
見事、ドラフトでサートゥルナーリアを獲得できれば、左うちわで1年を過ごせるのでは。
(松浪大樹)