桜花賞優勝、東京プリンセス賞2着
競馬には絶対がないことを改めて感じさせるレースになりました。
5月10日に実施された南関東牝馬クラシック2冠目の東京プリンセス賞(大井・1800m)。中央の和田正一郎厩舎から2戦2勝の成績で移籍してきたプロミストリープ(御神本訓史騎手騎乗、大井・藤田輝信厩舎)が、どんな強さを見せるのかと言っても過言ではありませんでした。
移籍初戦だった南関東牝馬クラシック1冠目の桜花賞(浦和・1600m)を完勝。3戦目という浅いキャリアも、初めての浦和コースや小回りも、ビチャビチャの不良馬場も、厳しいレース展開も、この馬の強さを際立たせるものでしかありませんでした。
東京プリンセス賞も断然の1番人気になるのは自然な流れ。しかし、桜花賞3着だったグラヴィオーラ(今野忠成騎手騎乗、船橋・佐藤賢二厩舎)に、7馬身も突き放される形で2着に終わりました。
曾祖母にはダイナアクトレスがいるグラヴィオーラ。北海道時代にはエーデルワイス賞2着や南関東移籍後も東京2歳優駿牝馬で優勝するなど、すばらしい成績を残してきた馬です。打倒プロミストリープ1番手に挙げられていましたが、7馬身もぶっち切って勝ったこの結果には、グラヴィオーラ陣営も驚いていました。
プロミストリープは、桜花賞とは打って変わり、東京プリンセス賞のパドックはかなり気持ちを高めていて、本馬場入場も予定外の先出し。
「元々は大人しい馬ですが、パドックで跨って地下馬道を通っていた時は、テンションの高さがマックスでしたね。返し馬で走らせちゃえば意外に落ち着いてくれましたが、ゲート裏に向かう時はまたテンションが高くなりました。前回は装鞍所で気持ちを高めていましたが、パドックに出てしまえば結構落ち着いてくれていたので、その点では違うかなと思いました」(御神本騎手)
プロミストリープはスタートも決まり、道中は2番手を追走。最後の直線で先頭に立とうとすると、3番手でピッタリとマークしていたグラヴィオーラが、抜群の手応えで交わしにかかり、プロミストリープも必死に食い下がろうとしましたが、その差はグングン広がっていきました。
東京プリンセス賞最初のスタンド前、プロミストリープは2番手を追走
グラヴィオーラの強さを称えるレース、お見事でした!勝ちタイムの1800m1分53秒1(不良)は、前日の南関東クラシック1冠目・羽田盃で優勝した牡馬のヤマノファイトよりも速いタイム(1分53秒7・不良)です。
3着のゴールドパテックは2着のプロミストリープよりもさらに7馬身後方。グラヴィオーラとプロミストリープがどれだけ抜けていたかがわかるかと思います。
「1周目のゴール板まではちょっとハミを噛んでいましたが、あとは折り合いもついていた方だと思います。勝負所の手応えはありましたが、グラヴィオーラの手応えがあまりにもよくて太刀打ちできませんでした。直線も伸びていたというか止まってはいないし、桜花賞(1600m)の走りからも、まだ距離に関して受け止めるのは早いかなと感じています。
悔しいですが、あれだけ離されてしまうと……。自分の仕事はできたと思っていますし、プロミスも初ナイターで環境が違う中でもよく走ってくれて、外厩先のミッドウェイファームの方々もちゃんと仕上げてくれました。まずは結果として受け止めて、次に向けてどうしていくかを考えていきたいです」(御神本騎手)
外厩先のミッドウェイファームにいる時のプロミストリープ
次走は6月6日の東京ダービー(大井・2000m)への出走を予定しているそうですが、体調面などを見て今後のことは考えていくそうです。この経験を生かし、次はどんな走りを見せてくれるでしょうか?!
次回のリスタートは5月28日(月)にお会いしましょう!