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実のある交流戦を

  • 2005年06月15日(水) 16時48分
 もうひとつの競馬、ダートの交流重賞の行方は常に気になるところです。今年は全部で50レース、そのうち中央では13レースあります。このところの変化と言えば、最大59レースあったレース数が、地方で廃止や中止があって大幅に減少していることです。縮小均衡に向かっている地方競馬がどうなっていくのか、これを悪い現象とばかり見るのが当たっているのか、そうとばかり考えることもないという見方があります。

 馬産と競馬をマクロに捉えるとき、そこには適正規模を探る必要性があり、今はまさにその時期なのだと考えられるからです。さらに、地方の弱点を是正すべく、枠組みを越えた競馬場間の連係が少しずつ実現に向かっていることも注目すべきことでしょう。地域と地域をどう結んでいくか、行政の力を注入する努力が今後のカギを握っている、これは周知のテーマです。要するに知恵を出すとき、そう考えて良き方向に向かうことを願っています。

 そして一方では、地方からダートの強豪が出現することも関心事でしょう。南関東にシーチャリオットが出たことは明るい材料で、統一GIのジャパンダートダービーでの中央との対決が楽しみです。

 ここ2年、交流重賞の8割が中央馬が勝っていて、このバランスの悪さが、せっかくのシステムを不十分なものにしています。強い馬がいるかどうか、これは競馬にとって重要なこと。いきなりGIでなくても、GIII、GIIと少しずつステップアップしてこそ、実のある交流戦と言えます。そこでどう地方馬が戦うか、是非とも活気あるものであってほしいと願っています。

 さらには、距離、年齢別の路線が確立されているので、その意に沿った形で熱戦が見られることにも期待したいものです。

 阪神のプロキオンSは、短距離のGIII戦ですが、ここからGII、そしてGIへと興味がつながることになるか注目しましょう。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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