日本ダービーへ向けての最終追い切り、果たしてその評価は?(5月23日撮影)
客観的な数字では過去の1着時と変わりなし
皐月賞回避について、その状態に関して頭を悩ます方も多いだろうダノンプレミアム。すでに先週までの状態はトレセンニュース内にて解説させていただいているので、今回は最終追い切りの内容から解説してみたい。
23日、朝一番のCWコースに川田将雅騎手とともに入場。馬場入りで煩い仕草を見せるといったこともなく、スムーズな走りで向正面へと入っていく。前方に角居勝彦厩舎の3頭併せがいて、自然とこれを見るような形での走りとなった。
前方が少し遅いラップだったこともあり、3コーナーでは首を少し振る仕草。これをどう判断するかだが、個人的には程よく気持ちが乗ってきたと解釈。というのも、1週前追い切りでは少しエンジンのかかりが遅いようにも見えたので、この仕草から先週よりも気持ちが前向きになっていると判断したい。
全体時計は遅くなったが、これは前々走、前走と変わりない。具体的に記しておくと、朝日杯FSがCWで4F追いの単走、弥生賞がCWで5F追いの単走。そして、ラスト1F11.6秒が今回の最終追いだが、前々走と前走もほぼ同じような終いの時計。これらの客観的な数字を見るかぎり、過去の1着時と変わりない最終追い切りだったという判断でよいと思う。
むしろ、弥生賞との比較でいくと、前走時は中間の追い切りでも速い時計がなかった。これに対して、今回は1週前追い切りの素晴らしい3頭併せ、そして2週前追い切りでもある程度きっちりと時計を出している。ここまでの調教過程を見るかぎり、前走以上の状態にあると評価してもよいくらいだろう。
弥生賞時の最終追い切り(2月28日撮影)
編集部から今回の原稿依頼を頂き、そのオーダーとして「皐月賞回避後の一連の調教に不安があるか?」という質問項目があったが、これに関しては「全くない」というのが個人的な回答。先週の追い切りで陣営の思惑通りの調整過程だからこそ、いつもと同じ最終追い切りになっている、そう考えたい。皐月賞へ出走できなかったことは残念だが、結果的に皐月賞をスキップして、弥生賞からここまでレース間隔をあけたことがダービーを勝つための最善策だったという可能性も十分にありそう。
ただ、私の予想理論である『調教適性』という意味では強く推せない。過去5年で3頭の栗東所属馬が優勝しているが、その最終追い切りはすべて坂路。過去10年と幅を広げると、7頭の栗東所属馬優勝でエイシンフラッシュ1頭が最終追い切りCWなので、決して優勝例がないわけではない。しかしこの年は残り600m地点で一気にラップが速くなったスローペース。そうなれば、今年もCW追い切りの優勝は考えられるが、今年の出走予定メンバーならスローペースにはなりにくいと想定している。
あとは他馬との調教適性の比較で、本馬に対する
ウマい馬券での印順をじっくりと検討してみたい。