のちのスプリント界の主役になる馬が含まれる一戦になるだろう/葵S
◆これまでのように速い時計になるかは難しいが…
昨年まで5月の中旬に行われていた同じ京都1200mのオープン特別「葵ステークス」が、少し時期をずらして新設重賞となった形。
近年の出走馬の中には、2010年カレンチャン、2011年ロードカナロア、2016年ナックビーナス…などの名前がある。春の京都の最終週とあって、これまでのように1分08秒0前後の速い時計になるかは難しいが、今後はのちのスプリント界の主役になる馬が含まれるケースが多くなるだろう。
アサクサゲンキ(父ストーミーアトランティック、その父ストームキャット)に期待したい。昨年の小倉2歳Sを好位から力強く抜け出して勝ったあと、現在「3着、10着、2着」と勝ち切れない。これに加え、半姉の4歳ラビットラン(父タピット)も同じころローズSを衝撃的な勝ち方をしたあと、どうも伸び悩み状態の印象は良くないが、早熟タイプの外国産馬の成長が止まり、カベに当たっているわけではない。
とくにアサクサゲンキの場合は、2歳後半からの3戦は直線に坂のあるコースでの「1400〜1600m」であるのが、勝ちみの遅さにつながっているだけのこと。レース運びには幅を増し、2歳時は450キロだった馬体が、前回のファルコンSを2着時には470キロ。ひとまわり大きくなり、確実にパワーアップしている。
母アミーリア(父ディキシーランドバンド)の属するファミリーは北米を中心に大きく発展している名牝系であり、日本でも知られる著名馬では、名種牡馬グリーンデザート(シーザスターズの祖父)は、母アミーリアと「いとこ」同士であり、ノンコノユメの父となった種牡馬トワイニング(父フォーティナイナー)は、母アミーリアの半弟になる。
ヤマニンパラダイスの母も、ノーリーズンの祖母もアミーリアの母と姉妹になる。北米色の濃い牝系だが、少しも早熟系ではないのである。
同じ3歳馬同士の1戦。ここに来て勝ち上がってきたトゥラヴェスーラ、ウィズなどと持ち時計の「1分08秒台後半」は一見、同じように見えるが、アサクサゲンキの1分08秒8は、昨年の夏に未勝利を独走したときのタイムであり、トゥラヴェスーラの1分08秒5や、08秒7は、3歳春になっての記録。半年以上の時間差があり、実際の時計比較ではアサクサゲンキの時計がNO.1に相当する。
今回はタイセイプライドとともに別定57キロだが、前回のファルコンSも57キロ。ひねるなら相手だろう。連穴にマドモアゼル(父ブラックタイド)と、レグルドール(父アドマイヤマックス)を加えたい。