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【マーメイドS】「あと少し待てば…」は結果論 スペースに突っ込むジョッキー心理

  • 2018年06月14日(木) 18時01分
哲三の眼

▲国分恭介騎手は約8年ぶりの重賞V (c)netkeiba.com


今週は10番人気のアンドリエッテが重賞初勝利を飾ったマーメイドSに注目。国分恭介騎手のテーマをもった騎乗を称えつつ、今回は津村騎手が早めにスペースを“察知してしまった”ことが勝敗を分けたポイントと指摘します。常に激しいスペースの取り合いが行われる道中、そして一瞬の判断が結果に直結するのが競馬の醍醐味のひとつ。その裏にあるジョッキーたちの心理を解説します。(構成:赤見千尋)

「一瞬でも開いたところを察知したら突っ込むのが、ジョッキー心理」


 今週振り返るのはマーメイドS。10番人気のアンドリエッテ&国分(恭介)君が、内々から伸びて見事な差し切り勝ちでした。周りが動いても冷静に乗れていたし、アンドリエッテの決め手を信じて内ラチ沿いをしっかり走ろうという騎乗が良かったと思います。2着も人気薄だったワンブレスアウェイ&津村(明秀)君で、ハンデ戦らしい波乱の決着でしたね。

 結果を踏まえて改めてレースを見ると、4コーナーの攻防がとても興味深いと感じました。2人とも中団のラチ沿いを進んでいて、津村君の後ろに国分君が付けるという形。4コーナーの勝負所で津村君の方が先に動き、一瞬前が壁になりましたが、そこから冷静に立て直して外に切り返しました。しかし、後から追いだした国分君の前はキレイに開いて一瞬で先頭へ。津村君もよく伸びましたがクビ差及ばす2着でした。

■6月10日 マーメイドS(3番:アンドリエッテ)

 4コーナーの勝負所で、先に動いた方がいいのか、それとも動かない方がいいのかというのはジョッキーにとって大いに悩むところです。レースによってその正解は変わって来るわけですが、実際に悩む時間というのは本当に一瞬で、コンマ1秒でも迷ってしまったら遅い。

 今回は結果的に動かなかった国分君が勝ちましたが、津村君があの場面で動いた気持ちもよくわかります。ジョッキー目線で言うと、「見えてしまった」んです。

 勝負所で

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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