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【函館SS】躊躇なくハナへ! “ありがち”を選ばなかった池添騎手

  • 2018年06月21日(木) 18時01分
哲三の眼

▲テン乗りで結果を出した池添騎手の“意識と技術”に注目 (ユーザー提供:ひいちきん)


函館開幕週の重賞・函館SSを制したのは、今回が初コンビとなったGI馬セイウンコウセイ&池添謙一騎手。哲三氏は1枠1番のスタートから躊躇なくハナを奪った点をポイントに挙げ、他馬よりダッシュがつかないなかで、勝つための選択をした池添騎手の“意識”を評価。さらに馬の特徴を生かすために行っていたであろう池添騎手の技術面の工夫を解説します。(構成:赤見千尋)

あのまま内の3,4番手につけるという乗り方は簡単


 函館スプリントSは11着までがコンマ5秒差の決着という大接戦になりました。その中でセイウンコウセイ&(池添)謙一君が、ハナ差で逃げ切り勝ち。今回が初騎乗でしたが、馬の特徴、強みを活かしたレースをしていましたね。

 特に印象的だったのは、スタートしてから最初の100mの進め方。スタートしてすぐの場面では外のワンスインナムーンの方が速かったけれど、躊躇なく押して行ってハナを取り切る競馬を選択しました。

 外から見ると、「無理をして行ったので、最後は甘くなるのでは?」と感じた方もいたかもしれません。でもこれまでのセイウンコウセイのレースを見ると、自分の歩幅をしっかりと取って走れる位置で競馬をした方が結果が出ている。例えば昨年の高松宮記念もそういうレースでした。

 直接携わっていないので僕の印象ですが、メンタルが弱いわけではないけれど、いい意味でも悪い意味でも気持ちの切り替えが早いのではないかと。だから、他の馬のペースに合わせたり、周りに馬がいて窮屈なフォームで走ると集中力が続かないところがあるのではないかと思いました。一見するとバテてしまいそうな展開に見えますが、しっかりと行き切ってこの馬の走りやすいポジションを取ったことがファインプレーだったと思います。

■6月17日 函館SS(1番:セイウンコウセイ)

 ただ、今回は初騎乗でしたし、

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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