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超豪華メンバーが揃った上半期ダート王決定戦/帝王賞

  • 2018年06月26日(火) 18時00分


“帝王”の座をかけての戦い


 6月27日(水)、大井競馬場で行われる『第41回帝王賞』。これまで数々の名勝負が演じられてきた大一番で、今年も上半期ダート王決定戦にふさわしい超豪華メンバーが揃いました。JRA勢、地方勢ともにチャンピオンホースが集結した群雄割拠の面々。文字通り“帝王”の座をかけての戦いに心が躍ります。

注目は昨年あっと驚く勝利を挙げたケイティブレイブ


 昨年の覇者ケイティブレイブ。昨年の帝王賞ではスタートで躓き、まさかの後方からの位置取りに。まさに「何が起きるかわからないのが競馬」。前に行くと考えていた我々の想定外の展開をよそに直線一気の差し切りを決め、あっと驚く勝利を挙げました。今年に入って川崎記念も制覇しJpnI2勝目、前走・ダイオライト記念も制し重賞7勝目を奪取。大井競馬場は4戦して【1-2-1-0】と相性のいいコース。今年、日本ダービーを制した福永祐一騎手とともに連覇を目指します。

ダービージョッキーとなった福永騎手とともに連覇を目指すケイティブレイブ(写真は17年帝王賞優勝時、撮影:高橋正和)


 昨年のフェブラリーSとチャンピオンズCを制しJRA賞最優秀ダートホースに輝いたゴールドドリーム。昨年の帝王賞では7着など地方競馬への適性の懸念がありましたが、前走・かしわ記念でGI・JpnI3勝目を挙げ、その実力を確固たるものとしました。ただ2000mでは3戦して(2016年ジャパンダートダービー3着、2017年ドバイワールドC14着、帝王賞7着)勝ち星を挙げておらず、距離克服がカギとなります。

前走・かしわ記念でGI・JpnI3勝目を挙げたゴールドドリーム(写真は18年かしわ記念優勝時、撮影:高橋正和)


 サウンドトゥルーは2015年の東京大賞典、昨年大井競馬場で行われたJBCクラシックを含むGI・JpnI3勝馬。昨年の東京大賞典ではコパノリッキーの2着。3着ケイティブレイブに先着しており、大井競馬場での実績はナンバーワン。帝王賞は昨年4着、一昨年3着。3回目の挑戦で持ち味が活きる展開になれば、一気の差し切りも夢ではありません。

サウンドトゥルーは昨年のJBCクラシック優勝など大井での実績はナンバーワン(写真は17年JBCクラシック優勝時、撮影:高橋正和)


 テイエムジンソクは初の地方競馬参戦。昨年、みやこSで重賞初制覇をしたのち1番人気に推されたチャンピオンズCでゴールドドリームの2着。敗れはしましたがGI級の力があるところを示しました。1月の東海Sで重賞2勝目。フェブラリーSはワンターンの1600m戦が合わなかった印象で12着。前走・平安Sは内々を回って動けない競馬で6着。ここ2戦は敗因がはっきりしており、巻き返し可能。昨年の帝王賞ではJRA勢で唯一GI・JpnI勝ちの無かったケイティブレイブが勝利。今年もまた同じ場面を見ることができるかも。鞍上・古川吉洋騎手は福永祐一騎手や、宝塚記念を勝った和田竜二騎手とJRA競馬学校で同期の“花の12期生”。馬のみならず騎手にも注目です。

初の地方競馬参戦となるテイエムジンソク(写真は18年東海S優勝時、(C)netkeiba.com)


 2016年東京大賞典の勝ち馬アポロケンタッキー。昨年はドバイワールドCから直行で5着でしたが、続く日本テレビ盃で1着。その後はチャンピオンズCの出走取消も含めていまひとつの競馬が続いていましたが、今年に入って川崎記念、ダイオライト記念でともにケイティブレイブの2着。ずぶいところのある馬ですが内田博幸騎手とのコンビで、じわじわと伸びてくる姿が目に浮かびます。

内田博幸騎手とのコンビで復活を狙うアポロケンタッキー(写真は16年東京大賞典優勝時、撮影:高橋正和)


 アウォーディーは今年も昨年同様ドバイワールドCから直行。大井競馬場では2016年東京大賞典2着、2017年帝王賞3着、JBCクラシック4着と勝ち星こそ無いものの掲示板を確保。昨年1番人気に推された実績を考えると“もうひと花”があるかもしれません。

大井競馬場では勝ち星が無いものの、もうひと花咲かせたいアウォーディー(写真は16年JBCクラシック優勝時、撮影:高橋正和)


 昨年の川崎記念を1000万下から3連勝で制覇したオールブラッシュ。その後の成績がいまひとつで人気を落としていた今年のかしわ記念(6番人気)でゴールドドリームの2着に好走。コパノリッキーと同じ村山明厩舎が送り出す侮れない存在。昨年の6着以上は必至です。

コパノリッキーと同じ村山明厩舎が送り出すオールブラッシュ(写真は17年川崎記念優勝時、撮影:高橋正和)


 JRA勢を迎え撃つ地方勢も今年は豪華メンバー。筆頭は船橋のリッカルド。JRA時代に2016年のエルムSを制覇。その後の成績は低迷していましたが、船橋に転入後、報知グランプリC、フジノウェーブ記念、ブリリアントC、大井記念と南関東の重賞4連勝。どのレースも圧巻の勝ちっぷりで、今ならダートグレード競走でも上を狙えそう。管理する佐藤裕太調教師は騎手時代にアジュディミツオーやフリオーソの調教を手掛け、JRA勢を撃破した経験のある人物。帝王賞の勝ち方を知る陣営が頂点を目指します。鞍上は今年の東京ダービーを制した矢野貴之騎手。福永祐一騎手とのダービージョッキー対決にも注目。

南関東の重賞4連勝でここへと臨むリッカルド(写真は18年大井記念優勝時、撮影:高橋正和)


 ヒガシウィルウィンは前走・大井記念でリッカルドの3着に敗れましたが、ジャパンダートダービーを制したJpnIホースの名誉にかけ、再びの対戦で逆転を狙います。

JpnIホースの名誉にかけ逆転を狙うヒガシウィルウィン(写真は17年ジャパンダートダービー優勝時、撮影:高橋正和)


 ダートグレード競走でも上位争いをしている愛知のカツゲキキトキト。JpnI挑戦は2016年のジャパンダートダービー(6着)以来となりますが、強豪相手にどこまでやれるか見逃せない1頭です。

 7頭のGI・JpnI馬が揃ったスターホースたちの戦い。昨年のようにJRA勢が上位を独占するのか、リッカルドら地方勢が一矢報いるのか。上半期のダート戦線を締めくくる帝王賞、今年はどんな名勝負が生まれるのか、楽しみでなりません。

※次回の更新は7月4日(水)18時。翌日に川崎競馬場で行われる「スパーキングレディーC」のコラムをお届けします。


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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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