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ルヴァンスレーヴ1強か?ドンフォルティス再び逆転なるか?/ジャパンダートダービー

  • 2018年07月10日(火) 18時00分


今年は中央馬か?地方馬の連覇か?


 7月11日(水)、大井競馬場で行われる『第20回ジャパンダートダービー』。昨年ヒガシウィルウィンが7年ぶりにJRA勢を撃破し地方馬による勝利を挙げた記憶も新しいですが、あれから1年、今年はJRA勢の勝利なるか?地方馬の栄光が続くのか?手に汗握る3歳ダート王決定戦が行われます。

3度目のライバル対決はどんな戦いに?名勝負を期待!


 JRAからは7頭が出走。今回1番人気に推されそうなのは実績ナンバーワンのルヴァンスレーヴ。デビューから3連勝で全日本2歳優駿を制覇。休み明けだった今年4月、伏竜Sでドンフォルティスの2着に敗れましたが、続く6月のユニコーンSでは後続に3馬身半の差をつけて完勝。ダートグレード競走2勝目を挙げました。ここまで5戦4勝【4-1-0-0】と文句なしの成績でナイター競馬も地方競馬も経験済み。不安があるとしたら、4勝は新潟、東京、川崎とすべて左回りコースで挙げたものという点。右回りの中山で唯一敗戦しましたが、初めての大井コースでその不安を吹き飛ばす走りを見せ本物の王者に輝くか、大注目の1頭です。

ここまで5戦4勝、実績は文句なしのルヴァンスレーヴ(写真は17年全日本2歳優駿優勝時、撮影:高橋正和)


 ドンフォルティスは全日本2歳優駿でルヴァンスレーヴの1馬身差2着。続く伏竜Sではルヴァンスレーヴより先に抜け出し1馬身半の差をつけ、宿敵を破ってゴール。デビューからの成績は6戦4勝【4-1-1-0】で2歳時には北海道2歳優駿も制しているダートグレード競走ウイナー。今回の鞍上は全日本2歳優駿以来となる武豊騎手。このレースを3勝(2002年ゴールドアリュール、2003年ビッグウルフ、2005年カネヒキリ)している名手が狙うは打倒ルヴァンスレーヴ!3度目のライバル対決がどんな戦いになるのか?名勝負を期待します。

鞍上武豊に戻り初GI/JpnIタイトルを狙うドンフォルティス(写真は18年伏竜S優勝時、撮影:下野雄規)


 もう1頭のダートグレード競走ウイナーはテーオーエナジー。兵庫チャンピオンシップで2着ビッグスモーキーに5馬身差をつけ圧勝。ダートの成績に限れば5戦3勝【3-1-1-0】と底を見せていません。芝に挑戦した前走・日本ダービー(18着)は参考外で、過去には2008年サクセスブロッケンが同じく日本ダービー18着からジャパンダートダービーを制したこともあります。ダート戦に戻れば力上位。初対戦のルヴァンスレーヴ、ドンフォルティスらとどんな戦いを見せてくれるか楽しみです。父カネヒキリは2005年の勝ち馬で、父子制覇も夢ではありません。

日本ダービーは大敗も、ダートでは底を見せていないテーオーエナジー(写真は18年兵庫CS優勝時、撮影:森鷹史)


 グレートタイムはユニコーンS、鳳雛Sともに2着。なんといっても魅力はその血統。父キングカメハメハ、母ミラクルレジェンド。母はJBCレディスクラシック連覇(2011年、2012年)をはじめダートグレード競走8勝を挙げた名牝。2010年のジャパンダートダービー4着だった母以上の成績を残したいところ。

歯がゆい競馬が続くグレートタイム、名牝である母の血に期待(写真は18年500万下優勝時)


 オメガパフュームはデビューから4戦3勝【3-0-1-0】と経験は浅いものの、前走・加古川特別(阪神・1000万下)で古馬に混じって1着。負担重量54kgで斤量差はあったとはいえ立派。初のダートグレード競走、初ナイター、初地方競馬と初物づくしですが未知の魅力十分。

古馬をねじ伏せた勢いで連勝したいオメガパフューム(写真は18年加古川特別優勝時)


 バイラは12戦3勝とJRA勢では一番戦歴豊富。4月の端午Sを勝って臨んだ前走・ユニコーンSは不利もあって大敗(14着)しましたが、巻き返し可能。

JRA勢最多のキャリアを武器に巻き返しを狙うバイラ(写真は18年端午S優勝時)


 5月の鳳雛Sを制したハーベストムーン。前走・ユニコーンSでは直線で不利があって13着。こちらも巻き返したい1頭。

グレートタイムを競り落としたハーベストムーン(写真は18年鳳雛S優勝時)


 例年JRA勢が上位に来ることが多いレースですが、これまで19年の歴史の中でオリオンザサンクス、トーシンブリザード、フリオーソ、マグニフィカ、ヒガシウィルウィンと5頭の地方馬が制覇。20回目の記念の年に地方勢がどこまで食い込めるか今年も期待が集まります。

 地方勢の南関東勢は前走・東京ダービーの上位馬が揃いました。1着ハセノパイロは全日本2歳優駿でルヴァンスレーヴ、ドンフォルティスに次ぐ3着を確保。大井コースはハイセイコー記念と東京ダービーの勝利を含む4戦2勝【2-0-1-1】。走り慣れたコースで逆転を狙います。

走り慣れたコースで逆転を狙うハセノパイロ(写真は18年東京ダービー優勝時、撮影:高橋正和)


 東京ダービー2着のクリスタルシルバー。鞍上・的場文男騎手が東京ダービー2着10回という記録を作ったことでも話題が集まりました。怪我のため休養していた的場文男騎手は9日(月)から復帰。地方競馬最多勝利記録の更新という偉業が目前に迫っている名手にも注目です。

復帰明けの名手を背に雪辱を誓うクリスタルシルバー(写真は18年東京ダービー出走時、撮影:高橋正和)


 東京ダービー3着のクロスケ。重賞勝ちこそ無いものの常に堅実に走る姿を見ると、思わず応援したくなる1頭。今回のメンバーでも軽視は禁物。

堅実な走りが光るクロスケも軽視は禁物(写真は17年ハイセイコー記念出走時、撮影:高橋正和)


 他にも九州ダービー栄城賞と高知優駿を制したダービー2勝馬、佐賀のスーパージェット。石川ダービーを制した金沢のアルファーティハも参戦。頂上決戦にふさわしいメンバーが全国から集結します。

ダービー2勝の実績が光るスーパージェット(写真は18年高知優駿優勝時、撮影:稲葉訓也)


 南関東クラシックの3冠目でもあるジャパンダートダービーはJRA勢も加わり高レベルで争われる一戦。勝ち馬はもちろん、ここで上位に来た馬たちは後々のダート界で活躍することが多い、非常に重要な戦いです。トーシンブリザード(2001年)、ゴールドアリュール(2002年)、カネヒキリ(2005年)、フリオーソ(2007年)、サクセスブロッケン(2008年)、スマートファルコン(2008年2着)、ノンコノユメ(2015年)、ケイティブレイブ(2016年2着)、ゴールドドリーム(2016年3着)らに並ぶ馬が、今年もここから誕生するに違いありません!

※次回の更新は7月15日(日)18時。翌日に盛岡競馬場で行われる「マーキュリーC」のコラムをお届けします。


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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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