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中京記念有力馬の追い切りチェック!猛暑を考慮して調教にも変化が?

  • 2018年07月18日(水) 18時00分


これといった死角は見つからず、連覇に向けて順調なウインガニオン


 連日、猛暑日が続く日本列島。栗東も例外ではなく、5時の調教開始時刻にはすでに25℃、8時には30℃を超える日が続いています。「暑さ」への対策は各厩舎で行われていますが、厩舎にミストやクーラーを設置するといった物理的な対策に加えて、調教時間を微妙にタイトにしたり、調教で乗る距離を微妙に短くしたり。成績上位厩舎ほど、こういった工夫が細かいような気がします。

 できるかぎり、そんなニュアンスで感じなければいけない部分も予想に反映させていくことができればと考えていますが、ハンデ戦ということもあって難しい中京記念。そもそも差せる馬場なのか否かを考えるだけでもひと苦労。ここでの紹介はnetkeiba.comの予想オッズ上位馬を取り上げました。

【中京記念/ウインガニオン】

 昨年の覇者。ハンデは昨年の57キロから0.5キロ増しの57.5kg。まあ妥当な斤量だと思います。安田記念は7着でしたが、これは過去に同厩舎でこのレースを制したサダムパテックと同じローテーション。昨年よりもレース間隔があくローテになりますが、その点は全く心配ないでしょう。

 問題は1年経っての能力の変動。調教だけで判断するなら、昨年以上といってもよいかも知れません。その根拠は栗東坂路での2F時計。この中間の追い切り本数は5本ですが、うち4本が2F25秒以下。なおかつ2F目が12秒台ですから、いかにスピードを持続させて走ることに長けてきたかを示します。あとは印の重さをどこにするか、それだけです。

ウインガニオン

調教の動きは昨年以上で、スピードの持続力に長けているウインガニオン(7月18日撮影)


【中京記念/ワントゥワン】

 デビューから21戦、すべてメンバー中3位以内の上がりでまとめている切れ者。ここ2戦も速い上がりは使えていますが、着順が上がっていないのはレースペースが関係しているということです。それだけにレースの流れがこの馬の着順を決めるといってもよいかも知れません。

 あとは状態。近走は最終追い切り場所がCWでしたが、夏場になるとDPで追い切る藤岡健一厩舎だけに、今回はDP。この馬自身も長久手特別の最終追い(1着)でDPでしたから、これに関しては全く問題なし。見た目としては、もう少し切れる動きが見たかったというのが本音ですが、それでも時計は5F65.2秒、1F11.4秒としっかり。人気過剰は歓迎しませんが、無視することもできない存在です。

ワントゥワン

切れる脚は物足りなかったものの時計をしっかり出してきたワントゥワン(写真奥)


【中京記念/ロジクライ】

 シンザン記念を勝って以来、休養していましたが、約1年11ヶ月ぶりに復帰してからは勝ち星を2つ。マイラーズCでは積極的なレースが仇となって7着でしたが、これはレースの流れや仕方ない部分もあったと思います。

 ここ3走は1週前に速い時計を出して、最終追い切りは終い重点ですが、今回もそのパターンに合致。1週前は4F49.8秒ですから、ここまでしっかり動けるようなら休み明けでも問題ないといったところ。最終追いは4F時計が56.2秒とかなり遅くなりましたが、この数字自体は六甲S1着時の最終追いとほとんど変わりません。あとはこれまで経験の少ない夏場が合うかどうか。心配はこれくらいといってもよいでしょう。

ロジクライ

近走時と同じパターンで追い切り、順調といったロジクライ(7月18日撮影)


【中京記念/スマートオーディン】

 netkeiba.comの予想単勝オッズは5番人気。これには驚いていますが、ユーザーの皆さんからすれば当然なのでしょうか。確かに栗東坂路での時計を見ていると、前走を叩いた効果に期待、といった感じだと思いますが、個人的には疑問です。

 前走もそうでしたが、この中間も坂路オンリーでの追い切り。500キロ近い馬体重ですし、以前に結果を出していた時は併用調教。もちろん厩舎が替わったのだから、調整も変わるというのは納得できます。ただ、今の調教内容が以前と同等もしくはそれ以上のパフォーマンスにつながってくるイメージがないだけに、どうしても人気過剰と思ってしまいます。

【中京記念/フロンティア】

 昨夏は新馬、新潟2歳Sと連勝して、2歳G1でも注目を集めるだろうと思われた期待馬。それ以降は勝ち星に恵まれていませんが、前走もG1で勝ち馬から1秒差なら、12着ほど大敗のイメージはありません。

 ひと息入れてのここですが、調整自体は極めて順調。CWと栗東坂路を併用して、きっちり時計を出してきていますし、最終追い切りは福永祐一騎手が跨って、坂路4F52.9秒。2F24.1秒、1F12.0秒と終いがかなりしっかりしており、これは昨夏と同じラップの踏み方でありながら、数字自体は今年の方が断然速くなっています。これが成長だとすれば、53キロというハンデも味方して好走の可能性は十分だと思います。

フロンティア

昨年からの成長分と軽斤量で好走の可能性は十分なフロンティア



◆次走要注意

・7/15 バーデンバーデンC【フミノムーン】(4人6着)

 昨年1着時からは乗り替わりなので、脚質は昨年と違うことは想定していました。しかし、あのゲートなら流れに乗るレースでも良かったと思いますし、終わってみれば、流れに乗らなかったからこの着順という印象。全く力を出していないので、むしろ次は同じ競馬で北九州記念を使ってほしいくらい。

[メモ登録用コメント] [北九州記念]最終追い切り栗東坂路で4F目最速なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳新馬【バニュルス】

 今週のデビュー馬情報でも取り上げた馬ですが、最終追い切りはCWで4F追い。見習い騎手、岩田望来くんが騎乗していましたが、スムーズな加速で前方にいたファントムライトを一瞬で抜き去って先着。先週の追い切りで反応の良さも出てきた印象です。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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