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STV杯

  • 2005年07月08日(金) 12時31分
 函館11Rの4歳馬サンバレンティンは、同じ関西の佐々木晶三厩舎のインティライミ(日本ダービー・2着)の1つ上の全兄。

 弟はディープインパクトに負けたとはいえ、正攻法で抜け出して東京2400mを2分24秒1。普通の年のダービーなら確勝級の内容だった。

 それに比較すると、兄は無名で、前走から急に人気になったつらい立場だが、このサンバレンティン、まだ6戦しかしていない。それで3勝しているのだから、インティライミが出現するまで地味だっただけで、決して平凡な馬でもない。1勝目が小倉、2勝目が中京、3勝目が函館のローカルの平坦コースばかり勝っているが、この兄弟の上の牝馬オーバーザウォール(父ドクターデヴィアス)は、福島記念の勝ち馬。

 母アンデスレディー(父ノーザンテースト)の全姉シャダイチャッターは小倉記念馬。函館記念を制したスピークリーズンもアンデスレディーの全姉シャダイスピーチの産駒になる。もとは典型的な平坦血筋で、インティライミも新馬勝ちは小倉だった。サンバレンティン、一気に本格化するかもしれない。

 対するはヴンダー(父フジキセキ)。こちらも前走の函館で1分47秒9(上がり35.1-11.8秒)の好時計で快勝。いよいよ本格化してきそうだ。昨年の3歳春は、ベンジャミンS・4着。プリンシパルS・2着。クラシック路線に乗っている。ダービーは大敗したが、あれは猛ペースを追走したのと、もともと距離が長すぎたもので、ベストは今回の1800m前後だろう。

 メジロファントムが3代母の兄。牝系はやや古いが、ショウナンカンプなどが一族から出て盛り返しつつある。今季は500キロ前後にまで馬体が成長し、一段と力強くなっている。タフな牝系の底力を味方に、まだまだ強くなるだろう。

 福島の穴馬は、12Rのトゥルーピース。差し比べで台頭しそうだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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