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極端な穴は出ないが、序列付けが難しい関屋記念

  • 2018年08月10日(金) 18時00分


◆ポテンシャルの高いプリモシーンだが、妙味という点では…

 関屋記念は過去10年全馬均等買いした場合の回収率が単47%・複57%で堅い重賞に見えるのだが、1,2番人気が磐石というよりは極端な穴が出ないという感じで、脈のありそうな馬どうしの序列付けはけっこう難しい。

 今年も上位人気は割れそう。基本的に若い馬が強いレースだが、唯一の4歳馬ジョーストリクトリは近況がだいぶ厳しいので、3,5歳から入るのが無難なところか。

 プリモシーンは血統のポテンシャルが高いし、新潟外回りなら存分に差し脚を伸ばせる。ただ古馬初対戦にしては人気になりすぎの感もあり、妙味という点ではいまひとつか。

 リライアブルエースはコース成績の良い戸崎騎手というのが魅力。ただ中京記念組は前走好走馬が来なくて大敗馬が復活してくるというのがこのレースによくあるパターン。好走してきて54→56キロというのは、形としては実は良くない。

 中京記念組ではワントゥワンも斤量増。どうせ斤量増組を買うなら前走負けているぶん人気落ちが期待できるウインガニオンまで思い切ったほうが良い気も。ただ、ウインガニオンは脚質的にバッティングする相手がいるので、展開面の問題は抱えている。外枠先行馬がけっこう来ているレースなので、強気に自分の競馬をしたほうがいいだろう。

 中京記念組で残る1頭はフロンティア。内枠からうまく立ち回れば馬券圏内も可能と思うが、キレ味だけで勝負できるタイプではないので、前半はある程度流れてほしいところだ。

 個人的に関心を持っているのがスターオブペルシャ。大敗してきた馬でも、前走時点で人気になっていた馬なら復活があるのがこのレース。前走は1400mだったし、前々走で谷川岳Sを勝っているコースに戻って見直したい。

 同厩舎のチェッキーノも前走2番人気7着だから似たパターンだが、こちらは前走が2年近い休み明けで+38だった。当日の気配まで見てみないとなんとも言えないところだ。

 1400mから来るエイシンティンクル、ショウナンアンセムも侮れない。前走1400m組の関屋記念成績は、それほど悪くない。ただこの2頭はウインガニオンとの折り合いをどうつけるかが問題になってくる。その点をふまえると、前走を控えて勝ち、かつ血統から伸びシロを残している可能性のあるエイシンティンクルのほうにより魅力を感じる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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