スピード豊かで渋馬場も得意なこの馬に期待/キーンランドC
◆父は豪で2度のリーディングサイヤー
乗り替わりが目立って多く、また馬場状態も今週は微妙。簡単な結末が待っているとは思えない。
渋った馬場の巧拙はともかく、少なくとも揉まれてドロをかぶる不利のない外枠を引き当てたキャンベルジュニア(父エンコスタデラゴ。その父フェアリーキング)に期待したい。
ここまでの全5勝は1600m以上だが、好タイムが記録された2走前のGII京王杯SC(1400m)では、速い流れに乗って18頭立ての好位7〜8番手を追走。外から抜け出し先頭に立った坂上1200m通過は1分07秒8だった。
最後は一歩遅くスパートした同じ56キロのムーンクエイクに頭差交わされたが、1分19秒5のコースレコードと同タイム。1200m〜1400mでも楽に対応できるスピード能力を示した。勝ったムーンクエイクは、今回は2キロ増の58キロ。人気はムーンクエイク上位だが、明らかに有利は56キロのキャンベルジュニアの方だろう。
種牡馬エンコスタデラゴ(豪州産)は、香港スプリントを2回勝ったセイクリッドキングダム(豪州産)の父。また、2010年のスプリンターズSを10番人気の低評価で、豪州産フジキセキ産駒のキンシャサノキセキ(堀厩舎)に勝った香港のウルトラファンタジー(豪州産)の父であり、短距離戦の多いオーストラリアでは2シーズン連続して種牡馬ランキング1位に輝いている。
凱旋門賞馬エリシオの父フェアリーキングは、大種牡馬サドラーズウェルズの全弟。もちろん長距離型も送ったが、このエンコスタデラゴ、高松宮記念勝ちのシンコウキング、中距離系と思われながら短距離型の牝馬ばかり送ったファルブラヴなど、どちらかといえばスピード能力を前面に押し出す特徴を秘めていた。
キャンベルジュニア(堀厩舎)は今回がまったく初めての1200mだが、父エンコスタデラゴと同じスピード豊かなタイプであり、1200mでのマイナスはないと考えられる。
陣営は、ワールドオールスタージョッキーズ出場で今週は札幌にいるMデムーロ騎手を配してきた。デムーロは、目下、スプリンターズSを2連勝中。渋馬場も得意にする。単複中心に、連勝系もキャンベルジュニアから入りたい。
「新潟2歳S」は、最初から長い直線600mに凝縮されてきたレースだが、最近は600mだけのレースに特化してきた印象さえある。切れ味勝負というより、高速ラップを2ハロンくらい連続して叩き出せるスピード型に断然有利なコースである。
ますます評価の上がるロードカナロア産駒のケイデンスコールは、新馬→中京2歳Sを2戦2勝のアドマイヤマーズに新馬でハナ差負けたが、上がり33秒1「推定11秒6-10秒5-11秒0」では上回った。楽勝した前走も直線は「推定11秒2-10秒9-11秒6」=33秒7。2ハロン連続して「11秒0前後」のスピードでスパートできる能力は完全に一枚上だろう。