新潟が開幕したと思ったら、もう100万馬券が飛び出し、3連単の威力が発揮されています。放送で各地のレースを伝えていて、後半の9レース以降になると途端に高配当になる大きな変化にびっくりさせられ続けています。この魅力、まるでワナにはまっているようです。ズルズルと奈落の底に突き落とされていくような、この止められない誘惑との戦い、これを毎週繰り返していくと言うのでしょうか。夏のローカルが本格的に始まったばかりだと言うのにです。
番組の終盤を迎え、スタッフのため息につつまれる日々、何とかならないものかといつも思うのです。誰でもいいから、この中の一人ぐらい大勝利をつかんで欲しい、そう心から願っています。
先日、若手のスタッフの一人が午前中のレースで大きい馬券を取りました。いつもあと一歩のところでガッカリしている姿を見ていただけにその瞬間、我がことのように嬉しくなりました。周りはどんどん行けとけしかけます。
そこで私は、ひと言発しました。「もうこれ以上のことは無いのだから、このまま勝ち逃げした方がいいよ。そうでしょう」と。
とにかく、しばらくはこの裕福な気分のままでいて欲しい。一人ぐらいはそういう仲間がいてもいいではないかと、その時切に思っていました。
彼は私の言うことにうなづいてくれました。かくして他の負け組はせっせとマークカードをぬり続け、彼に続けとばかり精を出すのでした。
この繰り返しがどれだけ続くのでしょうか。競馬の仕事は因果なものです。いつも常識の裏をかかれて、少しずつ痛手をこうむるのですから。内回りは差し、外回りは先行で始まった新潟戦、いつまでもこうだという保証はある筈ないのですがねぇ。