秋の頂上決戦に向け重要な戦い
10月2日(火)、金沢競馬場で行われる『第38回白山大賞典(2100m・JpnIII)』。イングランディーレ、タイムパラドックス、スマートファルコン、ニホンピロアワーズ、ケイティブレイブなどここを勝ったのちにGI・JpnIホースとなった馬たちを輩出してきた金沢競馬のビッグレース。秋の大舞台に向けて重要な戦いです。
今年はJRAから5頭、ホッカイドウ競馬1頭、愛知1頭、兵庫1頭、地元金沢3頭の11頭立て。枠順は偶然にも金沢勢が内枠、JRA勢が外枠に集中する形となりました。金沢競馬場の2100mは6月の重賞・百万石賞と白山大賞典で使用されるコース(2013年金沢で行われたJBCクラシックでも使用された)で、向正面奥からスタートしてゴールまで1周半、コーナーを6回まわります。スタートから最初のコーナーまで約350mと十分距離があるため、枠順よりもすんなり先行して外々をまわらずに立ち回れるかどうかが重要となります。
かつてエーシンモアオバーが2012年から4年連続馬券に絡んだ(2012年3着、2013年と2014年と連覇、2015年2着)こともありましたが、今年のJRA勢はエーシンモアオバーのようなリピーター不在で、すべて金沢初参戦。そこで今回はグリムとドンフォルティス、フレッシュな3歳馬2頭に注目してみました。
グリムは前走・レパードSでは積極策で先手を取って逃げ切り、重賞初制覇。人気のグレートタイム、ドンフォルティスらを破っての勝利で、現3歳勢で上位の力を示しました。今回大外枠となりましたが、もともと逃げにこだわらず競馬ができる馬。初の古馬相手で、もまれずに進めそうなのはむしろ好材料。負担重量53kgでどんな立ち回りを見せてくれるか、成長力を見せて欲しいですね。
成長力を見せて欲しいグリム(写真は18年レパードS優勝時、撮影:下野雄規)
ドンフォルティスはレパードSでグリムの4着でしたが、昨年10月に北海道2歳優駿を制し、ダートグレード重賞ウイナーになった逸材。全日本2歳優駿ではルヴァンスレーヴの2着、4月の伏竜Sではそのルヴァンスレーヴを破って勝利。こちらも3歳世代上位馬の1頭と言っていいでしょう。52kgは大きなアドバンテージですが、後ろからの競馬では厳しいので、できるだけ前での競馬を期待します。
52kgは大きなアドバンテージのドンフォルティス(写真は18年伏竜S優勝時、撮影:下野雄規)
ミツバは今回のメンバーで実績ナンバーワン。7月の盛岡・マーキュリーCを勝って連覇達成。前走・エルムSは後方からの競馬で直線外から追い込んで3着。金沢コースは直線だけの追い込みでは届かない可能性が高いため、早めに動けるかどうかがカギとなります。これまで各地の競馬場で上位争いをしてきた経験、そしてその経験からくる対応力に期待。負担重量55kgも魅力的。まくり差しで3つ目のタイトル奪取なるか!? 道中の動きから目が離せません。
早めに動けるかどうかがカギとなるミツバ(写真は18年マーキュリーC優勝時、撮影:武田明彦)
センチュリオンは前走・マーチSで重賞初制覇。迫力ある馬体の530kgを超える大型馬。今回はそのマーチS以来の休み明けとなり、馬体重の増減など気になりますが、充実期を迎えここをステップに秋のGI・JpnI戦線に向かいたいだけに、良い結果を残したい1頭。
秋のGI戦線に向かうためにも良い結果を残したいセンチュリオン(写真は18年マーチS優勝時、撮影:下野雄規)
マイネルバサラは昨年の浦和記念を制して重賞ウイナーの仲間入り。その後は勝ち星から遠ざかっていますが、2月の佐賀記念3着、3月のダイオライト記念3着と馬券圏内に好走。今回1頭だけ負担重量57kgというのは厳しいですが、地方競馬での経験値を活かして上位を狙います。
地方勢の大将として迎え撃つカツゲキキトキト
対する地方勢の大将は愛知のカツゲキキトキト。白山大賞典は2016年ケイティブレイブの6着、昨年インカンテーションの2着と健闘。JRA勢と互角の勝負ができる存在として今回も地方競馬ファンの熱い視線が集まります。昨年同様、東京記念2着からの臨戦過程。3度目の挑戦で悲願のダートグレード競走初制覇を目指します。
3度目の挑戦で悲願のダートグレード競走初制覇を目指すカツゲキキトキト(写真は18年くろゆり賞優勝時、撮影:谷口浩)
ホッカイドウ競馬のモズオトコマエは前走・イヌワシ賞に遠征して金沢の重賞勝利。鞍上・兵庫の鴨宮祥行騎手に初重賞制覇をプレゼントしました。金沢コースを経験しているのはプラス材料。人馬ともに勢いある“男前”コンビに注目です。
タガノヴェリテはJRAのオープンから園田競馬に移籍して3戦【2-1-0-0】。前走で園田の重賞・摂津盃を制覇。ただJRA時代3月の総武S(中山・OP)ではセンチュリオンから1.9秒離された11着に敗れており、今回のメンバーでは厳しいかもしれません。
園田移籍後、3戦2勝のタガノヴェリテ(写真は18年摂津盃優勝時、撮影:稲葉訓也)
金沢からはイヌワシ賞3着のムーンファースト、6月の百万石賞1着のマイネルリボーンらが出走。地元コースで地の利を活かし、少しでも上の着順を狙います。
これまで白山大賞典を3歳で制したのは(現コース以降)スマートファルコンとケイティブレイブの2頭で、どちらもその後のめざましい活躍はみなさんもご存知の通り。グリムとドンフォルティスが大先輩に匹敵する存在に近づくことができるのか?それともカツゲキキトキトの悲願達成なるか?実績馬ミツバが底力を示すのか? 金沢競馬場で行われる唯一のダートグレード競走・白山大賞典は今年も熱い戦いになりそうです。
※次回の更新は10月2日(火)18時。翌日に船橋競馬場で行われる「日本テレビ盃」のコラムをお届けします。
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