▲競馬の世界にもつながる研究、細江純子さんが研究チームを直撃
2018年6月21日、英科学誌電子版に馬に関する注目の研究結果が発表されました。『ヒトの感情シグナルに敏感なウマ 〜ウマはヒトの表情と声を関連づけて感情を読みとることが明らかに〜』。発表したのは、北海道大学大学院文学研究科の瀧本彩加准教授や、東京大学大学院総合文化研究科修士課程2年の中村航介さんらのグループ。この研究テーマに大きな関心を抱いた細江純子さんと、瀧本准教授・中村さんのの特別対談を9日(火)から12日(金)の4日間連続で掲載します。
(構成:不破由妃子)
動物心理学の専門誌ではなく科学の総合雑誌に掲載された意義
細江 今回の研究の論文は、『サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)』という科学誌に掲載されたそうですね。研究者にとって、その雑誌に掲載されるということはどんな意味を持つのですか?
瀧本 『サイエンティフィック・リポーツ』は『ネイチャー』(世界的に有名な総合学術雑誌)の関連雑誌なので、インパクト・ファクターが動物心理学の専門誌よりも高いんです。インパクト・ファクターというのは、その雑誌に掲載された論文がどれだけほかの論文に引用されたかという指標なので、それが高いということは、その研究が発展する可能性が高いということなんです。
細江 つまり、世界的に評価されたということですよね?
瀧本 われわれの分野においてはそうですね。しかも、『サイエンティフィック・リポーツ』は科学の総合雑誌で、動物心理学の専門誌ではないんです。だから、より幅広い分野の研究者の方たちに関心を持ってもらえ、受け入れてもらえるような成果を挙げることができた、ということになるかと思います。
▲瀧本准教授らの研究は『サイエンティフィック・リポーツ』という科学の総合雑誌に掲載された
細江 大変名誉なことですね。
瀧本 はい。中村くんが頑張って論文を書いてくれたおかげです。
細江 今回の研究結果で、一番評価された部分というのはどう分析されていますか?