スマートフォン版へ

HTB杯

  • 2005年07月29日(金) 11時41分
 プラズマ(父サンデーサイレンス)は、あまり重厚なクラシックファミリーの出身ではない。同じサンデーサイレンス産駒としては、母の半妹キスミーテンダー(03年マイラーズC・2着など)のイメージが重なったり、7月10日、単勝1.4倍の断然人気ながら同じサンデー産駒のダイアモンドヘッドに負けてしまったアドマイヤキッス(プラズマの全妹)が思い浮かんだりするが、この馬はちょっとばかりスケールが違う。

 前々走、力試しに挑戦したGII日経賞こそ距離も長く凡走したが、それ以外は、デビュー以来1、2、1、5、1、4、(11)、1着。まだまだ底を見せていない。続けて使えないのがこれまでの死角だが、これはあまりにも強烈で切れのいいストライドを持ち、激しく地面を叩いてしまうため、脚部に反動が出かかるためだろう。無理使いはできない。先日故障してしまったピットファイター(牡6、父プルピット、休み休みで計10勝)と似たようなところもある。

 だが、今回は前走の1000万特別が、まったくの楽勝で、競馬をしたのは11.5-11.6秒の最後2ハロンだったためか、すぐ函館入りして入念に乗り込んでいる。ちょっと芝の硬い新潟ではなく、函館への遠征も大正解だろう。昨年、函館で勝っている。

 前走は人気を分けたコンドルクエスト以下に2馬身半差だが、実際には子供扱いでまるで問題にしていなかった。同じ1000万で、同じ57キロ。圧勝も可能だろう。脚元の不安が出なければ、そして1800m前後にマトを絞っていけばたちまちオープン馬だろう。

 新潟11Rは、長い直線で二枚腰を使うしぶといルーベンスメモリーが軸馬。ここ2戦、東京の坂上で並んでからもう一回伸びている。

 切れ味不足のように見えて、長い直線の平均ペースは、一瞬の切れを持つ馬より、バテない粘り腰を発揮する馬の方が成績がはるかにいい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング