スワーヴリチャードは前半で変に構えすぎなければ勝ち負け
好メンバーの天皇賞秋。金曜発売はスワーヴリチャード1番人気で推移しているが、他にもチャンスがありそうな馬はいる。
そのスワーヴリチャードは、秋緒戦をここで迎えた。昨年もダービー→アルゼンチン共和国杯で後者を勝利しており、休み明けは問題ない。個人的には2400mのほうがより安心して見ていられると思うが、同距離のGIを勝っているのだから2000mがダメということはない。前半で変に構えすぎなければ勝ち負けだろう。
マカヒキはニエル賞以来勝利から遠ざかっているし故障での戦線離脱もあったが、ここへきて復調ムード。3歳時は上がりの速い競馬を得意としていたが、札幌記念は真逆の競馬でも2着と好走できた。適性の幅が広がっているのだとしたら歓迎材料だ。今回は頭数が多すぎないのも、後ろに構えるこの馬にとっては競馬がしやすくて良い。
レイデオロは好走例の少ないオールカマーからの参戦になってしまったが、能力を考えればもちろん有力馬の1頭である。ただ、決め手勝負に弱いことは確か。ダービーのように「スローなら捲り」という戦略は2000mでは難しいので、可能な限り良い位置を取って早めに仕掛け粘り込む競馬をしたい。
サングレーザーは折り合いの問題もある馬が真ん中よりやや外の枠を引いたうえに適性の上限距離だが、そこは鞍上の腕でカバーしてくれるのではと期待する。追って伸びないということはない馬なので、この騎手とのコンビはかなり魅力的だ。
ヴィブロスはこのメンバーゆえにいまひとつ目立たない立場になってしまっているが、実績はこの馬もかなりのもの。ただ強力な牡馬を破るにはなにかしら戦略があってそれが劇的に機能しないといけないように思える。あまり使う機会がなかったが左回りでの成績が良いので、まずはそれが追い風になることを期待したい。
アルアインはレイデオロと似たところがあるタイプで、今回は展開が向かない可能性もある。ただ、同距離のクラシックホースでもあり、もしレイデオロを重視するというのなら、ヒモには取っておきたい馬だ。
ミッキーロケットは春のグランプリ覇者でありつつ人気薄。当時7番人気での勝利だったことと、今回外枠を引いたことでこの評価もやむをえないところか。不良馬場だったとはいえ昨年大敗したレースでもあり、買い目を絞るためにこの馬まではシルシが回らない……というのが個人的な評価だ。
キセキはもっと長い距離が良いイメージがあるが、新潟の高速決着に対応したこともあるし、ルーラーシップ産駒にしては速い上がりも使える。毎日王冠最先着馬のわりに人気が無いのも事実。ヒモ候補として魅力的なのだが、こちらも軸馬次第ではここまでシルシを回せるかどうかというところだろう。