毎年のようにのちのGI馬を送り出している出世レース/東京スポーツ杯2歳S
未来へ向けて成長しそうな馬に注目したい
10年前の勝ち馬2008年ナカヤマフェスタを筆頭に、09年ローズキングダム、10年サダムパテック(今年のマイルCS出走馬ジュールポレールの半兄)……。近年では15年レインボーライン、16年スワーヴリチャード、17年ワグネリアン…など、出走馬の中から毎年のようにのちのGI馬を送り出しているのがこの2歳重賞。
2歳のこの時期に東京1800mでそれなりのレースを展開できるなら、もう仕上がりの早さや、単なる早熟なスピード型ではないということ。ディープインパクト産駒4頭を中心に注目馬が多い今年は、例年以上の好カード。とくに未来へ向けて成長しそうな馬に注目したい。
2歳戦で絶好調の藤沢和雄厩舎。これまでこの重賞で好走した12年コディーノ、レッドレイヴン、14年のアヴニールマルシェなど、GI級というにはもう一歩足りなかったが、今年のルヴォルグ(父ディープインパクト)は、ちょっとちがうと思える。またこの秋も来たRムーア(35)が乗る。
ルヴォルグの母の父は、日曜のマイルCSのジャンダルム、17年のエプソムCを勝ったダッシングブレイズの父として登場するキトゥンズジョイ。その父は、珍しくアメリカで大成功したサドラーズウェルズ直仔の芦毛馬エルプラド。
キトゥンズジョイも父エルプラドと同様に明らかに芝向きで、競走時だけでなく種牡馬になっても芝向き産駒が大半を占めている。ターフ限定ランキングでは2013年から連続して首位になり、米総合種牡馬ランキングも急上昇した13年以降1、3、3、5、3位。
ダート戦の大物が稼ぎまくることが多いので、上位が毎年のように大きく変動する米種牡馬ランキングで、ここまで交配頭数も決して多くないのに、芝の活躍馬を中心にこの順位だからその評価は一段と高まっている。おそらく、ディープインパクトはこういう種牡馬(もともと欧州系)の牝馬との組み合わせは合っている。尻すぼみはないだろう。前回、上がり33秒6はCルメールが追ってのものではない。抜け出してセーヴしての内容だった。
平均ペースで良さが生きるはずのカテドラル(父ハーツクライ)、ヴァンドギャルド(父ディープインパクト)、ヴェロックス(父ジャスタウェイ)など、期待馬は多い。妙味は、ひと叩きして一変があるダノンラスター(父ディープインパクト)。穴馬は新馬で勝負強さをみせたクリノガウディー(父スクリーンヒーロー)。