
▲リズムが戻ってきた小牧騎手
「確実に勝ちにいった」というキョウワドリヴン、「強い馬の強い競馬だった」というダンサクドゥーロ──。2週連続の勝利で、いよいよリズムが戻ってきた感のある小牧騎手。どちらも思い入れのある馬だけに、喜びもひとしおです。今回の『太論』では、その2つの勝利を振り返りつつ、1鞍1鞍に懸ける現在の熱い思いを語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)
1頭でも負かしてやろうと思って1鞍1鞍必死や
──先々週はキョウワドリヴンで7勝目(11月24日・京都1R・ダ1400m)、先週はダンサクドゥーロ(12月2日・中京7R・ダ1800m)で8勝目。ここにきて、本来のリズムが戻ってきましたね。
小牧 キョウワドリヴンはね、もう勝ちにいきました。ハナにいけば勝てるだろうと思っていたから。
──初戦と2戦目は、競馬を教える意味で控えていた?
小牧 教えるというか、初戦も2戦目も普通に乗ったら勝てると思っていたから、ジッとしていたんやけどね。僕にとって、それくらい手応えのある馬だったから。でも2着、2着やったから、3戦目は勝ちにいくしかないなと。2回走った感覚で、ハナを切ったら楽勝することはわかっていたからね。
──2着に6馬身差ですからね。未勝利クラスでは力が違った。
小牧 うん。ただ、上のクラスにいったら、そう簡単には逃げられへんしね。どんな競馬でもできるようにならんと。
──期待の大きい馬ならなおさらですよね。ちなみに、次走の予定などは決まっているのですか?
小牧 もう放牧に出ました。来年も一緒に頑張っていけたらいいね。
──キョウワドリヴンといえば、珍しく小牧さんが「めっちゃ可愛い」とおっしゃって、先々週の『太論』でも取り上げた馬。しかも、普段のキャンターから乗ってらっしゃる馬ですから、気持ち的にも大きな1勝ですよね。
小牧 そうやね。調教もずっと乗っていたし、なんせ僕自身、全然勝てへんかったからね。「勝てんなぁ…」と思っていたところでの1勝やから、そりゃあもううれしかったですね。
──7勝目、8勝目とポンポンときました。小牧さんのファンも、ホッとひと安心といったところではないでしょうか。
小牧 うん。日曜日のダンサクドゥーロはね、前走は2着やったけど、本当に強い馬やから。昨日は僕にしては珍しく、向正面から一番外に出して乗ってきてね。力がある馬じゃないとできん競馬やし、あの競馬で楽勝するんやから、やっぱり能力が高いね。決して乗りやすい馬ではないんやけど。
──どのあたりに課題があるんですか?
小牧 口が硬いし、行きたがるし、外に張るんですわ。左にむっちゃモタれんねん。昨日もラチに入ってたでしょう。だから、右回りのときは外に張るから、左回りのほうが乗りやすい。ダンサクドゥーロもそうやけど、ケガをしたりして手が離れていた馬がここにきて少しずつ戻ってきたね。頑張りますわ。
──そういえば、先週は土曜日10鞍、日曜日7鞍。フル稼働でしたね。
小牧 疲れたわー(苦笑)。トレーニングのおかげで体は全然大丈夫なんやけど、やっぱり精神的に疲れるわ。なかなか勝てんこともあって、最近は以前にも増して1頭でも負かしてやろうと思って1鞍1鞍必死に乗っているから。たとえ勝てなくても、そういう気持ちが大事やなと改めて思いますわ。
──もう1頭、チャレンジCのサイモンラムセスは8着。3着馬とはコンマ4秒差ですから、悲観する内容ではなかったかと。
小牧 うん、結果は8着やったけど、今回はいい競馬やったと思う。前回(アンドロメダS5着)は2番手でジッとしていたんやけど、思ったほど伸びへんかったから、ああこの馬はマイペースで飛ばしていったほうがいいんやなと思って、今回は早めに動いていってあの馬の競馬に徹したんやけどね。結局、捕まえ切れんかったけど、離して逃げていたマルターズアポジーを追いかけるように乗りました。
──そういえば、中日新聞杯に登録がありましたね。連闘になりますが。
小牧 登録はしてるけど、まだ決定ではないみたい。まだわからんけど、サイモンが使うのであれば中京に行きますわ。もともと今週は日曜日も中京なんでね。
──そうなんですね。日曜日はどの馬きっかけで行かれるんですか?
小牧 福島(11月11日・福島9R・3歳上500万下)で2着した飯田厩舎のモンサンフィエールです。前回は外に出したらいい脚を使ってくれたからね。今度も楽しみやね。

中京競馬場で騎乗予定の小牧騎手