位置を取る馬がどの枠順になるのだろうか
有馬記念は競馬ファンだけでなく一般社会の注目も高いレース。我々も早い時期からいろいろなメディアで予想を披露する機会があり、そのぶん早めに予想の方向性を決めなければならない面がある。
早出しとはいえ一度出した予想を最後ガラっと変えてしまうと当たってもハズレても後味が悪いことになるので、私はなるべく重いシルシの馬を入れ替えないように心掛けている。これは有馬記念に限らず常にそうしているのだが、有馬記念については枠順の要素が大きいので、ひょっとすると最後の最後で予想を変える可能性もある。
ちょっとサンプルを多めに、過去10年を対象にしてみよう。枠番でいう1枠2枠に入った馬は[7-7-5-47]。勝率10.8%・複勝率28.8%は全馬平均の6.7%・20.1%を大きく上回る。さらに07年9番人気1着のマツリダゴッホや01年13番人気2着のアメリカンボスがこのグループから出たこともあり、回収率は単138%・複129%と高い。
位置を取るタイプの馬にとってはさらに枠順は重要なものになる。1コーナー5番手以内だった馬だけを対象に枠番別成績を取ると、1ー2枠馬は[5-4-4-21]で勝率14.7%・複勝率38.2%。回収率も単215%・複197%だ。
反対に7ー8枠から1コーナー5番手以内に取りついた馬は、[1-0-0-26]。08年のダイワスカーレット以外は全滅だ。同馬は1番人気だったが、他に1ー5番人気の該当馬が6頭いて馬券に絡めていない。
これを前走位置別成績で見ても同様で、前走コーナーが4つ以上あるコースに出走し1コーナーを4番手以内で回った馬は、有馬記念で内半分の枠に入ればよいのだが、7ー8枠に入ると[1-1-0-19]。前述のダイワスカーレットと、00年2番人気2着のメイショウドトウ以外は馬券に絡んでいない。
今年の有馬記念は天皇賞秋、ジャパンカップと展開を演出してきたキセキが出走するほか、異色の挑戦として注目されるオジュウチョウサンも逃げを狙ってくる可能性がある。また、先行馬というタイプではないがモズカッチャンやミッキーロケットも「前走1コーナー5番手以内」には該当する。
キセキがどの枠を引くかはその能力からもかなり重要な問題で、さらにオジュウチョウサンとの道中アトサキがどうなるかも、レースの結果に影響を及ぼしてくる可能性がある。木曜の枠順抽選を楽しみに待ちたい。