●アテンポラル(牡 栗東・池江泰寿 父ハーツクライ、母タンタスエルテ)
パララサルー(父ディープインパクト/12年紫苑S-OP、12年アネモネS-OP)、タンタアレグリア(父ゼンノロブロイ/17年アメリカJCC-GII)の4分の3弟。デビューした兄弟は6頭中5頭が勝ち上がっている。
母タンタスエルテは現役時代、南米チリのアルトゥーロリヨンペニャ賞(G1・芝1600m)など4つの芝重賞を勝った活躍馬で、「Stuka×Stagecraft」の組み合わせは、タンタスエルテのほかに09年のチリ年度代表馬Last Impactや、その全弟でチリダービー馬Amor de Pobreなど7頭のG1馬を生み出しているニックス。
父ハーツクライは芝中長距離に実績があり、母がスタミナタイプよりもスピードタイプのほうがいいタイプ。本馬は母がマイラー。なおかつ、血統構成も上々なので悪くない。芝向きの中距離タイプ。
●グラディオロ(牝 美浦・大竹正博 父ロードカナロア、母ストリートスタイル)
母ストリートスタイルは北九州記念(GIII)4着。その兄弟にはブロードストリート(09年ローズS-GII)、フィニステール(07年青葉賞-GII・3着)、など活躍馬が目白押しで、2代母フィラストリートはきわめて能力の高い繁殖牝馬といえる。ストリートスタイルの子も現時点で3頭中2頭が中央で勝ち上がっている。大物を出せる可能性は大いにあるだろう。
本馬は「ロードカナロア×アドマイヤベガ」。この組み合わせは現在5戦3勝のサンラモンバレーと同じ。2代母フィラストリートは切れ味を伝えるCozzeneの子で、Grey Sovereign 4×4。瞬発力を秘めた血なので、本馬もマイル前後で鋭く切れるタイプになりそうだ。
●グルファクシー(牝 美浦・堀宣行 父ハービンジャー、母レクレドール)
ベルーフ(15年京成杯-GIII)の全妹、クラージュドール(父キングカメハメハ/16年ダイオライト記念-Jpn2・4着)、ルフォール(父キングカメハメハ/準OP)の半妹。母レクレドールはローズS(GII)、クイーンS(GIII)の勝ち馬。
ただの重賞勝ち馬ではなく、その全兄にステイゴールド(01年香港ヴァーズ-G1、01年ドバイシーマクラシック-G2など重賞4勝)がいるほか、伯父にサッカーボーイ(88年マイルCS-GI、87年阪神3歳S-GI)、甥にドリームパスポート(06年神戸新聞杯-GII、06年きさらぎ賞-GIII)、姪にショウナンパンドラ(15年ジャパンC-GI、14年秋華賞-GI)など多くの活躍馬が並んでいる。
ファミリーに力があり、なおかつ実際に繁殖牝馬としてのポテンシャルも証明しているので、本馬も高確率で走ってきそうだ。全兄ベルーフを超える活躍を期待したい。
●タイコ(牝 美浦・黒岩陽一 父ヴィクトワールピサ、母シンバルII)
母シンバルIIはThe Offer(14年ATCシドニーC-豪G1など重賞4勝)の半姉で、現役時代にドイツで芝2000mのリステッドレースを勝っている。本馬と同じ「ヴィクトワールピサ×Singspiel」はこれまで3頭がデビューし、コパノマリーン(16年フェアリーS-GIII・5着)、ザクイーン(3勝)が出ており成功している。
母シンバルIIはShirley Heights 4×3というクロスを持っているが、父ヴィクトワールピサはこの血と相性良好で、上記の2頭の他にアンブロークン(18年新潟2歳S-GIII・2着)、スワーヴアーサー(準OP)などが出ている。芝向きの中距離タイプ。
●リーピングリーズン(牝 美浦・奥村武 父ブラックタイド、母ジョウノファミリー)
ライジングリーズン(17年フェアリーS-GIII、17年アネモネS-OP)とグランフィデリオ(中央在籍時に準OP)の全妹、ゴライアス(父ゴールドアリュール/現1000万下)の3/4妹。
母ジョウノファミリーは不出走馬だが、7つのGIを含め、ダート重賞を10勝したブルーコンコルドの半妹にあたる良血馬。高い資質に恵まれた繁殖牝馬といえるだろう。
父ブラックタイドはディープインパクトの全兄で、2年連続年度代表馬キタサンブラックを出したことにより、すでにサンデー系の有力な一分枝として独立した感がある。「ブラックタイド×キングカメハメハ」はデイリー杯2歳S(GII)を勝ったタガノエスプレッソが出ており、母方にRobertoを持つブラックタイド産駒も成功している。全姉ライジングリーズン級の活躍を期待したい。