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今年の弥生賞は前走条件戦組にもチャンスあり

  • 2019年03月01日(金) 18時00分

オープン組優位・500万条件組苦戦の傾向が崩れる?


 今年の弥生賞には朝日杯組が出ておらず、前走オープン連対馬も1頭のみ。例年はオープン組優位・500万条件組苦戦となりやすいが、この前提だと今年は前走条件戦組にも多少のチャンスはあるのかもしれない。

 唯一前走でオープンを勝っているのがラストドラフト。ノヴェリスト産駒だがデビュー戦を見ると上がり勝負もできるし、一方で4角先頭だった前走のように自分で競馬を作ることもできる。展開がどう転んでも対処はできそうで、軸馬に向いているように思う。ルメール騎手のコース成績が相当に良いというのも強調材料だ。

 ニシノデイジーは時計も上がりもかかる競馬のほうが向いているように思える。今回は10頭立ての逃げ馬不在なので、前走のような位置で競馬をすると上がりが足りずに同じ負け方になる可能性もある。ただここで何着であっても、最近の「荒れる皐月賞」では好走の可能性があるので、その点は忘れずにおきたい。

 ブレイキングドーンは同じホープフルSで5着。強い当時の1,2着馬に対して自分で仕掛けていく形になったぶん、跳ね返されて着順を落としたのは仕方ない面もある。道中ある程度の位置で進められればそれなりの上がりは出せるので、今回もヒモ候補としては意識しておきたい。

 オープン組ではメイショウテンゲンも一応馬券の対象として検討はしたいところ。ただここまでのパフォーマンスと今回のメンバーを見比べた場合、3着候補までというのがリアルなところか。

 500万組で上位人気になる2頭ではカントルのほうを評価したい。純粋な3ハロン勝負で完勝してきた前走の内容は、ここがスローになって「弥生賞らしい決め手勝負」になった場合に生きてきそう。馬のタイプとしてはこことダービー向きで、皐月賞では流れ次第で実力を発揮できないようなタイプと見ている。

 サトノラディウスも悪くはないのだが、オープン経験の無い500万条件組がここで好走するケースというのはそう多くはない。カントルと2頭を揃って強調はできず、個人的には泣く泣くこちらのシルシを下げる予定だ。

 シュヴァルツリーゼも素材としては面白いがこの時期になると新馬→重賞の連続好走はけっこう難しい。前走の2,3着馬がその後苦戦しているあたりからも、ここでは評価して3着付け、そうでなければ無印というところが妥当か。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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