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上位拮抗の混戦を断つのはサクセスエナジーかヤマニンアンプリメかそれとも?!/黒船賞

  • 2019年03月20日(水) 18時00分

絶対王者不在のダート短距離戦線、どの馬にも優勝の可能性


 3月21日(祝・木)、高知競馬場で行われる『第21回黒船賞』。昨年は兵庫のエイシンヴァラーが、第1回リバーセキトバ(高知)以来となる地方馬による勝利を飾りました。2着は1番人気キングズガード、3着2番人気ブルドッグボスでしたが、エイシンヴァラーは9番人気で単勝2万3430円、3連単29万640円という高配当が飛び出しました。

 あれから1年、ダート短距離戦線は相変わらず混戦が続き、レースごとに勝ち馬が目まぐるしく変わっています。今回の黒船賞も上位の実力拮抗。展開ひとつでどの馬にもチャンスがありそうです。

第1回開催リバーセキトバ以来の地方馬による勝利を飾ったエイシンヴァラー(写真は18年黒船賞優勝時、提供:高知県競馬組合)


 そんな中、人気を集めそうなのがダートグレード競走2勝を挙げているサクセスエナジー。昨年4月、かきつばた記念で重賞初制覇。続くさきたま杯も連勝。どちらも今回と同距離の1400m。前走・フェブラリーSは初の1600mでインティの8着でしたが、得意の距離に戻れば実力上位。ただ心配なのはメンバー中最重量の58kgという負担重量。ちなみに昨年7月のプロキオンSでは58kgを背負い4着でした。斤量さえ克服できれば重賞3勝目を挙げることも夢ではありません。

斤量を克服できれば重賞3勝目も狙えるサクセスエナジー(写真は18年さきたま杯優勝時、撮影:高橋正和)


 ヤマニンアンプリメは着実に力を付けてきた5歳牝馬。昨年4月のマリーンCでダートグレード競走に初挑戦し、アンジュデジールの0.2秒差3着に健闘。その後も牡馬相手に上位争いを繰り返し、前走・大和S(京都・1200m)でオープン勝ち。直線で1番人気ジューヌエコールを交わしての勝利。連勝を狙います。牡馬との斤量差を活かし、末脚をどこまで伸ばせるか注目です。

牡馬相手に上位争いを繰り返し、着実に力を付けてきたヤマニンアンプリメ(写真は19年門松S優勝時)


 2017年、2018年と2年連続2着のキングズガードは、2017年のプロキオンSを制している8歳馬。3連覇したセイクリムズン(2012年、2013年、2014年)、2連覇したダノンレジェンド(2015年、2016年)、さらに3年連続馬券圏内に来たダイショウジェット(2012年3着、2013年2着、2014年3着)などリピーターが活躍することの多いレース。出遅れ癖は気になりますが、2度あることは3度ある?!今回も見逃せない1頭です。

17、18年と2年連続の2着で今年こそ優勝したいキングズガード(写真は17年黒船賞出走時、撮影:武田明彦)


12年から黒船賞を3連覇したセイクリムズン(写真は14年黒船賞優勝時、撮影:武田明彦)


黒船賞2連覇をはじめ、多くの重賞で活躍したダノンレジェンド(写真は16年JBCスプリント優勝時、撮影:武田明彦)


 サイタスリーレッドは2017年のテレ玉杯オーバルスプリントを制覇。その後の重賞では同年の兵庫ゴールドトロフィー3着、2018年カペラS2着はあるものの成績は低迷。前走・シルクロードSは久しぶりの芝のレースで参考外(12着)。重賞を制したダート1400m戦に戻って、改めて期待したい存在。

サイタスリーレッドは以前重賞を制した得意距離に戻り、復活を狙う(写真は17年テレ玉杯オーバルスプリント優勝時、撮影:武田明彦)


 テーオーヘリオスは昨年6月の北海道スプリントCでダートグレード競走初制覇。近走は1200mを使い続け、1400mは昨年3月のコーラルS(阪神・OP)以来1年ぶり。そのコーラルSではモーニンの3/4馬身差2着で、4着ヤマニンアンプリメ、5着エイシンバランサー(当時JRA所属)、6着サクセスエナジーと今回の出走馬たちに先着しており、展開次第では上位浮上の可能性も。

展開次第では上位浮上の可能性もあるテーオーヘリオス(写真は18年東京盃出走時、撮影:高橋正和)


 地方勢の筆頭は兵庫のエイシンバランサー。2015年タガノジンガロで3着、昨年エイシンヴァラーで黒船賞を制覇した新子雅司厩舎が送り出す期待馬。昨年JRAから移籍後3戦目のサマーチャンピオンでダートグレード競走初制覇。その後、笠松グランプリも勝利。1400mの重賞で再びの戴冠を狙います。

地方勢の筆頭、兵庫の期待馬エイシンバランサー(写真は18年サマーチャンピオン優勝時、提供:佐賀県競馬組合)


 高知のサクラレグナムは前走・黒潮スプリンターズCで上記のエイシンバランサーを破って1着。まだまだ元気いっぱいの10歳馬が、2連勝中の勢いでJRA勢に挑みます。

10歳でもまだまだ元気いっぱいのサクラレグナムは2連勝中の勢いで黒船賞に挑む(写真は18年習志野きらっとスプリント出走時、撮影:高橋正和)


 兵庫のキクノステラは軽斤量51kgだったとはいえ昨年12月の兵庫ゴールドトロフィーで3着。2着サクセスエナジーとは3/4馬身差で、今回も侮れない存在。

軽斤量であったが、兵庫ゴールドトロフィーで3着と好走したキクノステラは今回も侮れない(写真は18年兵庫ゴールドトロフィー出走時、撮影:稲葉訓也)


 絶対王者不在で混戦模様の現在のダート短距離戦線。今年も一筋縄ではいかない戦いになりそうです。地方競馬で行われるダートグレード競走、2018年度を締めくくる一戦。しっかりと見届けて新年度を迎えたいと思います。

※次回の更新は4月9日(火)18時。翌日に大井競馬場で行われる「東京スプリント」のコラムをお届けします。

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埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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