【無料】希代のスピードを活かし、データを覆せるか/高松宮記念
逃げ馬には本来不利な短距離戦だが…
新中京になった2012年以降、先手を主張した馬は【0-0-1-6】。高松宮記念の中京1200mは逃げ切り至難と考えられている。
ただ、時計が速くなる中山1200mのGIスプリンターズSも、GIの厳しいペースになると逃げ切りはめったにない。GIになった1990年以降、中山で行われた27回中、前半3ハロン「32秒台」のハイペースになったこと13回。その猛ペースで逃げた馬は【2-2-0-9】だった。わずか2頭が逃げ切ったにとどまる(2着も2頭)。
09年ローレルゲレイロ1分07秒5(前半32秒9)
06年テイクオーバーターゲット1分08秒1(前半32秒8)
3歳の秋からパワーアップし本物になったモズスーパーフレアは、中山1200mでの逃げ切り勝ちが3回もあり、3勝すべて同一に近い時計で勝っている
1600万下 1分07秒0=「33秒2-33秒8」
OP特別 1分07秒0=「32秒8-34秒2」
GIII重賞 1分07秒1=「32秒3-34秒8」
全体時計は同一に近いが、前後半のバランスは「0秒6差→1秒4差→2秒5差」も生じている。前半飛ばしすぎると、後半に響くのはどの馬も同じで先行タイプの宿命。しかし注目すべきは、馬場差はあるはずなのに、どういうペース(バランス)で逃げても、3回も「1分07秒0から1分07秒1」で乗り切った総合力を身につけていることだ。現在のモズスーパーフレアはマシーンのようなスプリンターに育っている。前回の32秒3が目立ちすぎるが、33秒台で行けるなら後半の時計は速くなる。
硬い超高速の芝だった1990年代を含め、中山のスプリンターズSを1分07秒0より速い時計で勝ったのは、2012年のロードカナロアただ1頭。1分06秒7(自身のバランス33秒3-33秒4)だった。すると中山1200mを、ロードカナロアより前半「1秒0」も速い超ハイペースで飛ばして勝ったモズスーパーフレアの前走も、その前の1分07秒0を2回の時計にも、抜群の価値がある。
高速の芝当時を含め、2001年トロットスターの1分07秒0が史上2位。これはモズスーパーフレアと同じ時計である。トロットスターは2001年の高松宮記念(旧中京)を勝っている。ロードカナロアは、翌2013年の高松宮記念を1分08秒1(新中京の当時のレコード)で快勝している。スプリントGIだから関係は強い。
そのロードカナロア産駒のダノンスマッシュが強敵。穴馬はさすがに見放されているが、今回は馬体がシャープに見えるセイウンコウセイ。1分07秒後半なら時計不足はない。2017年の幸騎手が騎乗する。