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▲4月13日(土)にランドウィック競馬場で行われるG1クイーンエリザベスS(芝2000m)を最後に現役を引退するウィンクス
【編集部からのお知らせ】
いつも当コラムをご愛読いただきまして、誠にありがとうございます。Racing Victoriaの競馬がオフシーズンに入りますため、当コラムはしばらく休載とさせていただきます。次回のシーズンの開幕と共に再開させていただく予定です。読者の皆様にはご迷惑をお掛けいたしますが、ご了承いただけますと幸いです。今後とも「ビクトリア競馬便り」をよろしくお願いいたします。
(3月28日号 文=ポール・シムズ)
ミスティックジャーニー、引退するウィンクスに変わる新たなヒロイン誕生の予感
2月から開催されていた「フェスティヴァル・オヴ・レーシング」が23日(土)フィナーレを迎え、メルボルンにおける秋競馬のシーズンが終了した。
フェスティヴァル最後のG1レースは、22日(金)に行われたウィリアムリードステークス(芝1200m)で、3歳牝馬のサンライトが一番人気に応えて完勝し、9日(土)にフレミントン競馬場で行われた「スーパーサタデー」のカードの1つ、ヴィクトリア州最高のスプリントレースと言われるG1ニューマーケットハンディキャップ(芝1200m)に続くG1制覇となった。通算戦績15戦10勝、獲得した賞金は400万豪ドルを超えたサンライトは、メルボルンの春最大の競馬の祭典「スプリング・レーシング・カーニヴァル」でも、人気を集める1頭になることは間違いないだろう。
もう1頭、ここで皆様に注目していただきたい馬をご紹介しておこう。フェスティヴァル最終日に行われた準重賞モーニントンカップ(芝2400m)に優勝したセルフセンス(セン8)である。ゴール前の接戦を制し、10月のG1コーフィールドカップ(芝2400m)への優先出走権を手にした馬である。もともと障害レースで活躍していたセルフセンスは、モーニントンカップが行われる6日前にヤラヴァレイ競馬場で行われた、芝1950mのヤラヴァレイカップに続く連勝となった。
フェスティヴァルの中で最も印象を残した馬は、3歳牝馬のミスティックジャーニーといっても過言ではない。牡馬相手に強烈な末脚を見せてG1初制覇となったオーストラリアンギニーズ(芝1600m)に続き、G1オールスターマイルでもゴドルフィンのハートネル(セン8)やアリーゼー(牝4)らの強襲をおさえ、粘り強いスピードを見せて完勝したミスティックジャーニーは、「タスマニアのウィンクス」という異名がつけられた。管理するアダム・トリンダー調教師によると、厩舎ではスタッフから「ベティー」と呼ばれているそうで、今後休養に入り、秋はG1コックスプレート(芝2040m)に向かう予定とのこと。
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▲フェスティヴァルの中で最も印象を残した3歳牝馬のミスティックジャーニー(写真は19年オーストラリアンギニーズ優勝時、提供:Racing Photos)
オールスターマイルが行われた日は、フレミントン競馬場におよそ17000人のファンが訪れ、レースの売り上げは、同じくフレミントンで3月に行われた3歳以上による芝1600mのG2レースのおよそ1.5倍を記録したようである。
何よりも、オールスターマイルにおけるミスティックジャーニーの勝利は、4月13日(土)にランドウィック競馬場で行われるG1クイーンエリザベスS(芝2000m)を最後に現役を引退するウィンクス(牝7)の次なるヒロインとして、オーストラリア競馬における中距離路線で活躍し続けてほしという、競馬ファンの期待と希望を生んだ勝利であった。
さて、秋の競馬開催が終了し、オーストラリア競馬は冬のシーズンオフに入るため、「ヴィクトリア競馬便り」は今回が最後のコラムとなります。いつもたくさんの日本の方々に読んでいただき心より感謝申し上げます。また、春の「スプリング・レーシング・カーニヴァル」の開催が近付く頃にコラムを再開し、メルボルンの競馬ニュースをお届けしようと思います。