▲昨年は規格外の強さを見せてきたサートゥルナーリア(撮影:下野雄規)
無傷3連勝で昨年のG1ホープフルSを快勝したサートゥルナーリア。これまでの勝ちっぷりから皐月賞の最右翼であるのは間違いなしですが、やはり気になるのは今年初戦が皐月賞という直行ローテ。そこで今回は、「調教Gメン」や「トレセンニュース」でも、昨年時からサートゥルナーリアを追い続けてきた井内利彰さんに、現状や昨年時との比較はもちろんのこと、時計の出方から読み取れる陣営の思惑まで徹底分析して頂きます! 調教のスペシャリストが導いた最終的な評価とは…!?
(取材・構成:井内利彰)
圧倒的な手応えは誰が見ても分かるくらい
サートゥルナーリアが栗東へ帰厩したのは、3月13日。皐月賞から逆算すると、ちょうど1ヶ月という間隔になるが、この期間が短いのか長いのかちょうどいいのか、それを決めるのは帰厩から最初の追い切りを開始するまでの期間。帰厩したのに追い切りをなかなか開始しないようだと、放牧先での状態が思わしくなかったことが想像できるし、帰厩してすぐに速い時計を出すようなら、急仕上げという感が否めない。
3月14日に坂路4F59.4〜2F28.0〜1F13.9秒という時計をマークしているが、これは追い切りというよりも「これくらいは動けますよ」的な試運転。3月20日の坂路4F54.7秒が本格的な追い切りスタートだと考えると、帰厩して1週間後、レースの1ヶ月前に栗東へ帰ってきたのは「ちょうどいい」と判断できる。
その翌週には大阪杯の最終追い切りを行ったエアウィンザーとの併せ馬。先行していたとはいえ、G1で上位人気するような馬の最終追い切りに付き合うことができるのは、中身がしっかり出来ているからこそ。陣営がそう判断しても、馬自身が動けないようなら意味のない併せ馬だが、調教VTRをご覧いただければ、誰が見ても分かるくらい、圧倒的な手応えの差があった。この時、騎乗していた小滝崇調教助手の表情を見ていると「もう抑え切れない」という言葉を発するのではないかと思うくらいだった。だからといって、馬ががむしゃらになっているところがない、それもまた今回の追い切りでみせたサートゥルナーリアの凄いところ。
以前、兄たちに比べて気性が素直だということは自分が