史上初の“18頭立て” 注目度を増すトライアル/アーリントンC
善戦が続く有力馬の巻き返しに期待
昨年から皐月賞と同じ週になり、今年は史上初の「18頭」立てとなった。
これまではやや地味な印象も与えかねないマイル重賞だったが、先週のニュージーランドTと同じ「3着馬までに優先出走権」が与えられるNHKマイルCのトライアルとして、これから注目度はどんどん高まるだろう。
主に2月に施行されていた当時は、1月のシンザン記念に連続する冬のマイル重賞だった。しかし、阪神の1600mなら先週の「桜花賞」や、牡馬の「朝日杯FS」とコースも距離も同じ。レースは白熱して難しくなると同時に、高い能力を秘める馬が好走しやすくなる。
阪神1600mの新馬を人気に応えて快勝のあと、いきなり「東京スポーツ杯2歳S」を勝ったニシノデイジーから「ハナ、アタマ」差3着。同タイムの1分46秒6で乗り切ったヴァンドギャルド(父ディープインパクト)の巻き返しに期待したい。上がりはニシノデイジーと同じ33秒9だった。
続く「ホープフルS→きさらぎ賞→毎日杯」を「0秒6,0秒4,0秒2」差の善戦にとどまり、まだ条件賞金400万の1勝馬。勝ち味の遅さが災いして皐月賞挑戦はかなわなかったが、距離が延びてこそ…と期待されたこの馬、現時点では1800m-2000mは合わなかったのかもしれない。
輸入牝馬の母スキア(父は英ダービー馬モティヴェイター)はフランスで3勝(1800m-2000m)し、祖母ライトクウェストの父も英ダービー馬クウェストフォーフェイム。当然、クラシック向きタイプと考えられたが、血統背景への期待(予測)は、それが前面に出るとは限らない。短距離向きではないかと思われた産駒が意外や中〜長距離に合うことだってある。
新馬の阪神1600m(重馬場)を、上がり33秒9(レース上がりは34秒5)で馬群を割って抜けた内容から、阪神のマイルは合っている。上がり33秒9で突っ込んだ1800mの毎日杯も瞬時に反応できない不器用な死角が出ただけで、まだまだ脚はあった。先週より少しタイムのかかる馬場になるならさらに有利だろう。
18頭だけに波乱の危険はある。フォッサマグナ、ヴァルディゼールなどの人気馬だけでなく、強気に遠征した素質を秘めるニシノカツナリ、シュタルケ騎手の乗るカテドラルなどの伏兵にも注目したい。