ハイペースにならない東京1400だからこそ狙いたい馬/京王杯SC
有利なのは先行馬、しかし鋭い脚を使える追込馬なら…
最近の東京芝1400mは、スプリント戦のわりにめったにハイペースにならない。今週から移動柵が設置されたBコース。仮に速くない流れだと、高速上がり必至。ペース(展開)の利にかなうのは先行型だが、なかには追走が楽な方がいい追い込みタイプもいる。
2016年、サトノアラジン(翌年、安田記念も制覇)が勝った年など、全体時計の1分19秒6は猛烈に速いが(現在のレコードも1分19秒5)、レース全体は「前半34秒6−(11秒5)—後半33秒5」。スローとは形容できないが、全体バランスは後半だけの切れ味勝負。勝ったサトノアラジンの上がりは驚異の「32秒4」。直線だけ猛然と伸びた。
3歳後半から2年もの長期休養、転厩、路線変更などが重なったスランプからようやく復活。前回、3歳春以来の勝利を飾った6歳スマートオーディン(父ダノンシャンティ)の特質は、2歳秋にスローの東スポ杯2歳S1800mを追い込み勝ちした際の上がりが32秒9。ほぼ一団で直線だけの勝負になると、自身の最後400mの爆発は推定「10秒7-10秒9」だった。まだ3戦目、内にささりながら差し切ると、当時の鞍上=武豊騎手は最後、手綱を押さえる楽勝だった。
3歳春に毎日杯1800mを快勝した際の上がりも32秒7。当然ハロン10秒台が含まれる。楽に追走できたときに切れが爆発するタイプで、さらには折り合い難があるので、短距離の方がはまりやすい。
久しぶりに勝った前走の阪急杯も、レース上がり34秒6に対し、この馬は33秒4。残り600mから200mまでの2ハロンは推定「10秒9-10秒8」。コース形態から直線一気ではないが、猛烈に切れた。
おそらくこの鋭いスピード能力は、2010年のNHKマイルCを1分31秒4(当時のコースレコード)で猛然と追い込み勝ちした父ダノンシャンティゆずり。追い込み一手なので、はまらないと…の難しいタイプだが、先行馬の崩れに乗じて追い込むのではないから、レースの流れには左右されない。自身の折り合いだけ。
信頼度の高い馬不在の組み合わせだけに、穴馬ロードクエスト、リナーテなども含め手広くいきたい。