斤量が重い馬の好走が目立つが、知っておくべき落とし穴も
2013年から5月に移り、6月末のJpnI帝王賞(大井ダート2000m)を狙う馬の前哨戦になったが、ここは「牡馬56、牝馬54」キロがベースの別定戦。負担重量の「増減」が大きく明暗を分ける。
過去6年、3着までに好走した18頭中、「12頭」までがベースの負担重量より重い実力馬によって占められる。だから、59キロのオメガパフューム、58キロのチュウワウィザード、さらには57キロ組の実力を評価していいのだが、落とし穴もある。
それは、57キロ(牝馬は55キロ)以上で好走した12頭のうち、「9頭は前回と同じ斤量、2頭はマイナス斤量、プラス斤量は1頭だけ」という記録である。
13年に59キロで勝ったニホンピロアワーズも、16年に58キロで勝ったアスカノロマンも、57キロで勝った15年インカンテーション、18年サンライズソアも、みんな前回すでに経験(克服)していた負担重量だった。斤量増で好走したのは17年の2着馬クリソライト(56→58)ただ1頭。
今年の有力馬(人気馬)オメガパフューム、チュウワウィザードは、ともに前走比2キロ増であり、なおかつ初めての重い負担重量になる。パワーと底力勝負のダートの別定戦で実力馬を軽視するのは賢明ではないが、平安Sの好走馬のパターンからは外れている。今年の58−59キロ組は過信禁物だろう。
56キロの6歳ロンドンタウン(父カネヒキリ)から入りたい。オープンでの4勝は、JpnIII佐賀記念、GIIIエルムS,韓国のコリアC2勝では、実績不足はたしかだが、前々回のマーチS(57,5キロ)の0秒2差着も、前回のアンタレスSの0秒1差3着もスパッと切れなかっただけで、ゴール前はまだ脚があった。じわじわ確実に伸びての惜敗だった。
珍しく順調にきて叩き3戦目の今回、追い切りの動きはいつも以上に素軽い。きついペースにはなりそうもない組み合わせの1900m。理想の好位追走が可能だろう。一昨年の平安Sはもまれて力及ばず12着(1分57秒8)だが、すんなり行ければ簡単にバテる馬ではない。不屈のダート王カネヒキリ(6年の供用だけで14歳で早世)の代表産駒の1頭。GI馬は川崎記念を制したミツバだけだが、再三の脚部難を克服したカネヒキリ(父フジキセキ)は、8歳夏までダート界のエースだった。まだ成長もある。
単複と、昨年と同じ57キロのサンライズソア、昨年2着で今年は1キロ減54キロの牝馬クイーンマンボ本線に流したい。